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「日傘男子」のススメ(1/2 ページ)

» 2023年08月17日 15時59分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 近年の猛暑で多くの男性を悩ませているのが、「日傘いいな。でも持ち歩くの面倒くさいし、周りの人の目にどう映るかな」問題だ。ぶっちゃけ、日傘をさしたほうが楽なのは分かっている。でも踏み切れない。そんな自分のために、少し変わった日傘を使ってみた。

 まず下の画像を見てほしい。1910年から2022年まで、全国13地点で観測された「猛暑日」(最高気温35℃以上)の年間日数をグラフにしたものだ。1990年代後半あたりから急増したことが分かる。

「全国(13地点平均)の猛暑日の年間日数」(出典は気象庁のWebサイト)

 日本の夏は確実に暑くなっている。一昔前は「女性の日焼け防止」だった日傘に対する意識もアップデートする必要がありそうだ。

 環境省などが2018年に実施したイベント(日傘無料貸し出しイベント)を通じて日傘の効果について調べたところ、「暑さ指数」(WBGT値)を下げる効果が認められた。例えば「千葉市動物公園」内ではWBGTが3℃も低下したという。

 WBGT値は、気温に加え、湿度や輻射熱などの要素を総合的に考慮した暑さの指標で、気象庁などが発出する「熱中症警戒アラート」もこれをベースにしている。千葉市動物公園の事例では、日傘により「熱中症警戒レベル」が1段階下がるのと同等の効果があった。

 また人工気象室(気温30℃、湿度50%、日射量1.2kW/m2、風速0.5m/s)を使って男性6人を15分間歩かせた検証では、「帽子のみ」の人より「日傘」を使用した人は汗の量が17%少なかった。つまり日傘には紫外線避けの他、熱中症予防や発汗量を減らす効果も期待できる。汗をかいた後のニオイも抑えられるかもしれない。

 しかし男性の日傘については未だに賛否両論。SNSで「男 日傘」などで検索すると「男だって日傘は大事」「直射日光を防げるってこんなに楽なんだ」と実践している人達がいる一方で、「男性が日傘とかカッコ悪い」「片手が塞がる」と敬遠する人も見受けられた。

 ただ、投稿した本人ではなく「上司や同僚がそう言ってた」というパターンも多い。本音は「カッコ悪い」ではなく「他人の目が気になる」なのではないか。そんな風に感じるのは、冒頭で触れたように筆者も同様だからだ。

 しかし猛暑の外回りでは日傘をさしたほうが合理的なのは明らか。そこで今回は、サンコーのファン付き日傘「折りたたみファンブレラ」の検証として外を歩いてみた。

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