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パナ渾身のIPスイッチャー「KAIROS」新アップデートの威力 タッチパネルPCを“操作卓”にする機能も小寺信良の「プロフェッショナル×DX」(1/2 ページ)

» 2023年08月30日 13時00分 公開
[小寺信良ITmedia]

 スイッチングにおける映像処理を全てソフトウェアベースで行なうパナソニックのIPスイッチャー「KAIROS」。6月14日より新メインフレーム「Kairos Core 200(AT-KC200T)」を発売している。また7月21日には新システムソフトウェア「バージョン1.5.0」の提供を開始した。7月に福岡市で行なわれたQBEE(九州放送機器展)にて、その実機を見る事ができた。

 2020年9月に登場した初代KAIROS「Kairos Core 100」は1Uのメインフレームで、HDベースだった。それにオプションを追加し、4K対応に拡張できた。2021年4月に発売したKairos Core 1000は、デフォルトで4Kに対応した上位モデルだった。2022年にはクラウド版もリリース、そして今回シャーシ設計を新たにして、Kairos Core 200が登場という流れである。今後さらに上位のKairos Core 2000の発売も予定されている。

 スペックの差に関しては、展示してあったパネルに詳しく書かれているのでそちらをご覧いただければと思う。

Kairos Core 100から2000までのスペック

 スペックで見ると、Core 1000とCore 200は入出力ではそれほど大きく違わないように見える。また価格的にも、Core 1000が830万円、Core200が850万円と、ほとんど変わっていない。ただ動画再生用のクリッププレイヤー容量が大幅に増えており、ライブ映像だけでなく、いわゆるポンだし機能強化へシフトしたのがわかる。

 実際に実機を見てみると、その違いはかなり大きい。最大の違いは、静音性だ。Core 100/1000の筐体はとにかくファン音がうるさく、実際に使用するには静音ラックに詰め込んで密封しなければ、そばで話もできないような状態であった。以前取材させてもらった株式会社シーマの中継車「CONNECT車」でも、Core 1000はオペレーションルームの外のラックに実装されていた。また取材時には、取り外して可搬できるよう静音ラックも試作中だった。

株式会社シーマの中継車「CONNECT車」の実装例

 一方Core 200以降の新シャーシでは、大型ファンをゆっくり回す設計になっており、ブースではむき出しの筐体がそのまま動いていたが、一般的なラックマウント機器と同程度の騒音に押さえられていた。

動作中のCore 200(右)。左はCore 1000

 ボディーは2Uから4Uになっているが、静音ラックが不要になったことを考えれば、20万円の価格差は簡単に吸収できる。

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