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Google、PostgreSQLにAI対応を組み込んだ「AlloyDB AI」発表 オンプレミスでも他社クラウドでも利用可能に

» 2023年08月30日 10時12分 公開
[新野淳一ITmedia]

この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「[速報]Google、PostgreSQLにAI対応を組み込んだ「AlloyDB AI」発表、オンプレミスでも他社クラウドでも利用可能に。Google Cloud Next '23」(2023年8月30日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。

 米Googleは、8月29日(日本時間の30日未明)から米サンフランシスコで開催中のイベント「Google Cloud Next '23」で、同社が提供するPostgreSQL互換のデータベース「AlloyDB」にAI対応機能を組み込んだ「AlloyDB AI」を発表しました

 AlloyDB AIは、データベース内に保存されているデータをAIと組み合わせて利用しやすくする機能を搭載しており、企業などが持つ商品データや顧客データなどをAIで活用するアプリケーション構築を容易にします。

 一般に、企業がAIや機械学習を利用したアプリケーションを開発する場合、既存の大規模言語モデルなどをそのまま利用するのではなく、自社製品のデータや顧客のデータなど、自社固有のデータと既存のAIなどと組み合わせることを想定するケースが少なくないでしょう。

 今回発表されたAlloyDB AIは、このAlloyDBにAI機能を搭載したことで、データベースのデータをベースとしたAIアプリケーションを、SQL文などによって容易に開発可能にするものです。

 PostgreSQL互換のデータベース機能に加えて、主に以下の3つの機能を備えています。

  • エンベディングの容易な生成

 データベース内のデータから簡単にエンベディングを生成。またSQL文でGoogleのエンベディングモデルへのアクセスも可能。

  • 高速なベクトルクエリ

 AlloyDBクエリ処理エンジンなどにより、PostgreSQLの標準機能よりも10倍高速なベクトルクエリを実現。

  • 既存のAIエコシステムとの統合

 LangChainや今後提供されるVertex AI拡張機能などにより、SQLによるリモートにあるVertex AIのモデルなどにアクセス可能に。

AlloyDB AIはソフトウェアの「AlloyDB Omni」でプレビュー提供

 もともとAlloyDBは、PostgreSQL互換のエンタープライズ向け高性能データベースサービスとして、2022年12月に正式版となりました。

参考:Google Cloud、エンタープライズ向け高性能DB「AlloyDB for PostgreSQL」正式サービスとして提供開始、Amazon Aurora対抗の位置づけ - Publickey

 オンプレミス向けのソフトウェア「AlloyDB Omni」もテクニカルプレビューとして提供されています。

参考:Google Cloud、高性能化したPostgreSQL互換「AlloyDB」のオンプレミス向けソフトウェア「AlloyDB Omni」発表。開発環境での利用は無料

 今回発表されたAlloyDB AIは、まずこのソフトウェア版となるAlloyDB Omniで提供されます。そのためオンプレミスや他社のクラウドなどでもAlloyDB AIの機能が利用可能となります。

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