「【重要・緊急】入出金を規制させていただきました...などのメールは詐欺です」──そんな件名のメールが話題になっている。一見すると詐欺メールのように見えるが、送り主は、本物の三井住友銀行だ。一体どうしてこのような紛らわしいメールを送ったのか。同社に話を聞いた。
メールが送られたのは8月30日午後2時ごろ。本文の出だしは「お客さまの口座の入出金を規制させていただきましたので、お知らせします。本人確認後、制限を解除することができます」(原文ママ)とした上で、このような文面で偽のログイン画面へ誘導するメールが急増していると説明。これらのリンクには絶対アクセスしないように訴えている。
メール本文下部には「詐欺被害防止を目的として、詐欺メールの実態をより一層ご理解いただくために、実際の詐欺メール同様の文言を一部に記載しております」(原文ママ)の記載も見られる。
このメールはX(元Twitter)上でも話題に。受け取ったユーザーからは「肝が冷えたので、ちゃんと注意しようと思った」「メールが秀逸すぎる」などの肯定的な声や、「紛らわしい」「このメールを考えた人は2時間正座してほしい」などの否定的な意見も上がった。これを受け、午後4時20分ごろには「三井住友銀行」がXのトレンドにも入った。
三井住友銀行はなぜこのようなメールを送ったのか。話を聞いてみたところ「このメールを受け取った方に、しっかりと注意喚起をするためにこのような文面にした」と説明する。
「不正送金の被害、いわゆるフィッシングメールでの詐欺被害が最近急速に増えているため、注意喚起のために今回のメールを送った。金融機関をかたるメールは、当行以外でも増えている状態。ぜひこれをきっかけに詐欺メールの注意喚起につなげたい」(三井住友銀行)
ちなみにこのメール、Webブラウザ上のGmailの受信フォルダからみると「【重要・緊急】入出金を規制させていただきました...」で件名が切れるようになっている。この設計についても話を聞いたが「オフィシャルの答えがしにくい」として、明言は避けた。また、現状でこのメールを再度送る予定はないという。
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