ITmedia NEWS > 社会とIT >

100kmマラソンはできないので、ストリートビューを“100kmクリック”してみた 完走まで何時間?明日から使えるITトリビア

» 2023年08月29日 14時54分 公開
[松浦立樹ITmedia]

 先日、夏の風物詩の一つともいえるテレビ番組「24時間テレビ」が放送された。2023年も恒例企画「チャリティーマラソン」が行われたが、ランナーのタレント・ヒロミさんは、無事完走した。この様子をテレビで見て、感動した記者は「僕も100km走ろう」と思った。

 そう思って外に出てみたが、あまりにも暑い。無理をして熱中症にでもなれば、周りの人に迷惑を掛けてしまうので取りあえず、近所のスーパーまで気持ち小走りで向かうことにした。アイスを買い、レジで精算していたとき、一つのアイデアを思い付く。「Googleストリートビューを使えば、僕でも100km完走できるのではないか?」

 というわけで、今回はストリートビューを使って100kmマラソンを行う。ルールはシンプルに「ストリートビュー上の矢印だけをクリックしてGoogleマップ上を100km移動する」のみ。ゴールまでどのくらいの時間がかかるか、何クリックが必要なのかを計測してみた。

ストリートビューマラソンスタート 1時間でどれだけ進む?

 今回走るコースのスタート地点は、栃木県宇都宮市(座標:36°31'52.2"N 139°50'59.1"E)。ここから徒歩で100km先にある、両国国技館をゴールに定めた。ちなみに電車や車だと約2時間、徒歩だと約21時間かかるらしい。時間の計測はタブレットのストップウォッチ機能、クリック数はスマートフォンアプリで手動で計測する。準備を整えたところで、早速スタートした。

ストリートビューでたどるコース
時間とクリック数を計測した

 正直、どのくらいの時間がかかるのか全く想定がつかない。というわけで、次のエリアが表示され次第、すぐさま矢印をクリックする。画像が粗い状態で進むため、景色を楽しむ余裕はあまりない。表示されたストリートビューの撮影時期は、22年8〜12月ごろのものが多かった。宇都宮に一度も行ったことのない記者は「宇都宮って天気いいんだなー」と思いながらマウスをクリックする。

栃木県宇都宮市 天気がめちゃくちゃ良い

 進めてく中で、このマラソンの一番の難しいところも分かってきた。コースアウトすることがあまりに多いのだ。基本的に前向きの矢印を押せば前に進むが、たまに予期せぬ道にワープする。また、ストリートビューのない道に突き当たることもあった。そのような場合、来た道を戻る(この間クリック数はノーカウント)や、大回りをしてストリートビューの道に戻るなどの対応をした。

 そうこうしているうちにマラソン開始から1時間が経過。ここまでのクリック数は「3029」回だった。対して進んだ距離は、約33kmで栃木県小山市に到着した(座標:36°15'29.4"N 139°49'15.9"E)。この進捗が良いのか、悪いのかは分からないが、1時間かけても栃木県を脱出することはできなかった。

約1時間かけて着いた場所(座標:36°15'29.4"N 139°49'15.9"E)
計測したところ、スタート地点から約33kmの位置
1時間でクリック数は3029回に(途中インターバルも挟んだ)

 そしてマラソンを再開して約10分後、栃木県を脱出して茨城県へ突入。そこから約20分後には千葉県、さらに10分後には埼玉県と、舞台が目まぐるしく変わっていった。埼玉県に入ってからは長く、ひたすら真っすぐな道を進み、たまに道を間違えては戻るを繰り返す。

感動?のクライマックス 最終結果は……

 「そろそろ飽きてきたなー」と感じたころ、いよいよ東京都足立区まで進むことができた。ただ画面をクリックし続けていただけなのに、ゴールが近づくにつれて不思議とテンションが上がっていく。というわけで、ここからは音楽をかけながら進めることにした。曲は「負けないで」(ZARD)と、「サライ」(加山雄三・谷村新司)だ。

 正直全然負けてもいい勝負なのだが、負けないでを聞いていると、最後まで走り抜けたい気持ちが湧いてくる。サライを聞いていると、その歌詞にある「流れゆく景色だけをじっと見ていた」という部分がこの状況を重なり、涙腺が若干緩んだような気すらする。

 そんなふうに音楽の力を感じているうちに、目的地の両国国技館へ到着した。残念ながら、ゴール地点には誰も待っていなかったので少し寂しい気持ちになった。

国技館には土俵しか待っていなかった

 計測の結果、ここまでかかった時間は「2時間59分」、クリック数は「7194」回だった。1時間時点で予想できた約3時間でのゴールだったが、対してクリック数は思ったよりも少ない結果に。そもそも手動計測であるため、ミスカウントもそれなりにあるだろう。あまりこちらの数値は参考にならないかもしれない。

最終結果(タイムとクリック数) 終わったころには日付が変わっていた

 今回のマラソンの最中、スクリーンショットの撮影したり、道に迷ったりもしたので、もう少しがんばればタイムは大幅に縮められる可能性は十分にある。時間に余裕がある人はぜひ検証してみてほしい。記者は多分もう二度とやらないと思う。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.