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インタビュー
» 2023年10月06日 13時00分 公開

AWSの“オンプレクラウド”って実際どうなの? ラックを日本初導入したNTTコムに話を聞く(2/2 ページ)

[吉川大貴ITmedia]
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1年の検証経てサービス化 AIを使いたい製造業狙う

 1年間の検証で一連の気付きを得たNTTコミュニケーションズ。結果として同社は2022年にAWS Outpostsを実行基盤とした「Node-AI on AWS Outposts」の提供を開始するに至った。これはAWS Outpostsの導入支援から、Node-AIの導入・活用までをまとめて手掛けるサービスだ。ただし顧客の要望があれば、AWS Outpostsの導入支援のみを手掛ける場合もあるという。

photo Node-AI on AWS Outpostsのイメージ

 先述した通り、AWS Outpostsにはシステムフルクラウド化の通過点など、さまざまな用途が考えられる。その中で同社がNode-AI on AWS Outpostsを考えたのには顧客の声があった。

 実はNTTコミュニケーションズの顧客の中には「工場でAIを活用したいが、セキュリティ上の理由で拠点外にデータを置けない製造業」も多いという。この条件だとパブリッククラウドは使いたくても使えず、既存の社内システムも古いオンプレでAIどころではないというケースも少なくない。

 一方、AWS Outpostsであれば、AWS相当の機能をオンプレで利用でき、AWSリージョンに接続する必要こそあるが、データは手元に置いておける。Node-AIは時系列データを基にした異常検知AIなどがノーコードで作成できるので、エッジデバイスと組み合わせた業務効率化などが実現するわけだ。つまりAWS Outpostsはエッジサーバの役割を果たすことになる。

 張さんによれば、同様のサービスはユーザー側も予算確保に時間を要するため、まだ商用での導入には至っていないという。とはいえ問い合わせ自体はあり、デモに参加する企業などもいるとしている。

あくまでAWS Outpostsはバリエーションの一つに

 ただ、Node-AIはAWS Outpostsを基盤としたもの一本で提供していくわけではない。SaaS版も提供している他、IaaS「docomo MEC」や、より安価・小規模なエッジサービス「SDPF edge」、映像処理に向いた「EDGEMATRIX」で提供する場合もある。

 SDPF Edgeなどだと、安価な代わりにAIの開発部分はクラウド側に任せ、モデルの実行のみをエッジサーバ上で担う形になる。対してNode-AI on AWS Outpostsは双方をオンプレ上で行えるし、サーバのスペックなども比較的カスタムしやすい。いわばエッジサービスにおけるハイエンドプランに当たるわけだ。

photo 狩野武尊さん

 「エッジコンピューティングは今後、より大きく広がっていく。一方で、マクロにとらえたときには、ユーザーは技術としてのエッジコンピューティングを求めているというより、ビジネスのニーズに対応したプラットフォームを求めているということになる。そのため、ユーザーのニーズに全方位で対応できるよう、ビジネス全体のケイパビリティーをそろえているのが現状」(狩野さん)

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