アドビ、生成AIを刷新 画像を貼って「このテイストで出力して」も可能に テキスト→動画生成も開発中（1/2 ページ）

[山川晶之，ITmedia]

　2023年3月にβ版を提供し、9月から正式提供をスタートした米Adobeの生成AI「Firefly」に早速アップデートが入った。プロンプトから画像を生成するモデルが後継の「Adobe Firefly Image 2 Model」に刷新された。生成できる解像度が4倍になった他、新たに「生成Match」も実装。まずはFirefly Web版から提供する。

「Adobe Firefly」で「Adobe Firefly Image 2 Model」など複数の生成モデルを発表

　Firefly Image 2 Modelは、先代の生成モデルから出力精度を上げつつ、ユーザーの出力オーダーにより柔軟に対応するという。例えば人物のレンダリングは、肌、髪、目、手、身体の構造を改善した他、カラー表現、ダイナミックレンジを改善している。生成できる画像の解像度も4倍に拡大した。引き続き商用利用も可能で、学習は「Adobe Stock」からの許諾済みデータ、オープンライセンス画像、著作権が失効したパブリックドメインデータなどから行っている。

最新モデル「Adobe Firefly Image 2 Model」の出力例。人物の生成がより高精度になったという

　搭載された生成Matchは、任意の画像を参照元として指定すると、その画像のカラーやテイストを反映して出力できるのが特徴。例えば、ユーザー自身が作成したイラスト／写真のスタイルを反映させ、そのトーンを生かした出力が可能となる。また、絞りや焦点距離といった写真の設定を反映して出力する「写真設定」、より良い出力結果が得られそうなプロンプトの候補を表示する「プロンプト候補」なども追加された。

「カエルとキノコ」の同じプロンプトでも、「生成Match」を使うことで添付する画像のテイストに合わせたイメージ出力が可能になる

　なお参照元として添付する画像は、著作者が自身自身であったり、サードパーティーの画像を使用する場合はその権限を持つ必要があるとしている。これは、画像を添付する場合にも警告として表示される。

画像を添付する際に「サードパーティーの画像を使用する場合はその権限を持つ必要がある」と表示される

デモではこのカートゥーンスタイルの画像を添付

「カエルとキノコ」の画像にカートゥーンスタイルが適用された