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NTTと通信3社がSNSで激論 NTT広報室「KDDIもソフトバンクも公社時代の資産受け継いでいる」(1/2 ページ)

» 2023年11月17日 15時00分 公開
[山川晶之ITmedia]

 「NTT法」の見直しを巡り、NTTと通信3社(KDDI、ソフトバンク、楽天モバイル)の対立が激しさを増しているが、その舞台はSNSにも広がったようだ。通信3社のトップがNTT法廃止に反対する旨をX(旧Twitter)に11月14日ごろから次々と投稿。17日になってNTT広報室のX公式アカウントがそれに反論した。

NTT広報室のX(旧Twitter)公式アカウントが投稿した、楽天三木谷氏への反論

 もともとは防衛費増額の予算確保の一環としてNTT株の売却が持ち上がったことを発端とし、政府による1/3以上の株式保有を義務付けるNTT法の在り方が議論されてきた。見直しをきっかけにNTTは制定後40年経ったNTT法の課題を指摘。自社/共同開発した技術であっても要請があれば国内外問わず開示する義務があったり、現在主流のIP網ではなく赤字を垂れ流している古いメタル線の全国維持が義務付けられていたり、寡占ゆえに縛られていた当時とは状況が変わったとしている。

 一方、他の3社はNTTが公社時代から譲り受けた土地や局舎、とう道、管路、電柱、光ファイバーなど“特別な資産”を大量に保有しており、NTT法による縛りがなくなることで、公正な競争や有事への対応といった観点で問題があるとしている。特に、ドコモを買収したNTT持株が、NTT東西の合併などかつての「巨大なNTT」を復活させる可能性もあることから、NTT法の廃案に強く反対している(詳細はこちらの記事を参照)。

 自民党の「NTT法の在り方に関するプロジェクトチーム」が取りまとめている提言案の内容が11月14日に一部で報道されると、楽天グループ代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏が「国民の血税で作った唯一無二の光ファイバー網を完全自由な民間企業に任せるなど正気の沙汰とは思えない。携帯含め、高騰していた通信費がせっかく下がったのに逆方向に行く最悪の愚策」と批判。

 この投稿を皮切りに、ソフトバンク代表取締役社長の宮川潤一氏も「NTTが引き継いだ資産は国税で創り上げたものです、土地だけでも莫大な資産。まして地中に埋まる光ファイバーは、唯一無二であり国税を投下して、30年もかけて創りました」「20年、50年先の未来に、どんな有事が起こるかわかりません。民間に引渡しするアセットとしては適正では無いことは明白です」と7年ぶりに投稿。

 「バルス」以来5年ぶりに投稿した、KDDI代表取締役社長の高橋誠氏も「そもそも防衛財源の話がいつの間にか話がすり替わりNTT法廃止の話だけが一人歩きしている事に先ず違和感を覚える」と、三木谷氏のポストにリプライする形で投稿していた。

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