しかし、ここまで指に伝わる感触や操作性が違うと、一概にどちらが優れているとはいえない。指先で操作するものだけに、この違いは好みの個人差が大きいと思われる。
だからこそエレコムでは、支持パーツをユーザーが簡単に着脱できるようにして、トラックボールや人工ルビーの支持パーツを別売するのだろう。交換を試してみたが、不器用な筆者でもさほど時間をかけずに入れ替えることができた。トラックボール本体に専用の工具が付属しているのもうれしい。
ただ、ボールベアリングのタイプは、とにかく、短い距離でのカーソル移動が圧倒的に楽なので、テキスト入力がメインの私のような文章仕事が多い人にはボールベアリングのタイプが使いやすいのではないかとは思っている。
そのボールベアリングをエレコムに供給しているのが、ミネベアミツミというメーカーだ。現在は精密機械部品を中心に、半導体やモーター、センサー、自動車部品、航空機部品、スマートシティソリューションや照明機器など幅広い製品を扱い、日本の製造業メーカーでは大手の会社だが、その始まりが、今回のトラックボールに使われているような、小径のいわゆる「ミニチュア・ボールベアリング」の製造。社名のミネベアは、「ミネチュア・ベアリング」の略から来ているのだそうだ。
ボールベアリングというと、比較的大きな部品の方が馴染があるが、モーターなどには当たり前に小さなものが使われている。ただ、今回のトラックボールのように、実際にボールベアリングを指で回して操作するという経験はあまりない。そのため、ボールベアリングの性能差というのは、どういう形で現れるのか、今、トラックボールに使われる意味とは何かなど、身近にある部品の割に、その実情を知らないことに気がついた。
そこで今回、ミネベアミツミにボールベアリングについて話をうかがった。
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