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新MacBook Pro(M3)でも機密情報が漏えい 2020年以降のApple製品全てに脆弱性 米国チームが発表Innovative Tech

» 2023年11月30日 08時00分 公開
[山下裕毅ITmedia]

Innovative Tech:

このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。

Twitter: @shiropen2

 米ジョージア工科大学などに所属する研究者らが発表した論文「iLeakage: Browser-based Timerless Speculative Execution Attacks on Apple Devices」は、Mac、iPad、iPhoneなどのApple製品に搭載のSafariを標的としたサイドチャネル攻撃に関する研究報告である。

 この攻撃は、最近発売されたM3チップを搭載した新型MacBook Proでも成功し、ソフトウェアの更新状況に関わらず、Apple製品にとって依然として脅威であることを示した。

「iLeakage」がM3搭載MacBook Proを攻撃する様子

 「iLeakage」と呼ばれるこの攻撃は、攻撃者がSafariブラウザに任意のWebページを表示させ、投機的実行を用いてそのページ内に存在する機密情報を回復できるというものだ。macOSまたはiOSデバイスがiLeakageが仕込まれたWebサイトを訪れると、攻撃者は選択した別のWebサイトをひそかに開き、ウィンドウでレンダリングされるサイトの内容を回収できる。

 研究チームは、Instagramのログイン情報の復元、Gmailの受信トレイの復元、YouTubeの視聴履歴の復元をデモで実演し、この脆弱性を実証した。

 この脆弱性は、AシリーズとMシリーズ(M1、M2)のチップが搭載された2020年以降にAppleが製造したの全てデバイス(iPhone、iPad、ラップトップ、デスクトップ)を対象としている。またSafariブラウザだけでなく、iPhoneやiPad上で実行されている全てのブラウザ・アプリを標的としている。

 この発表が10月のことで、今回新たにリリースされたM3チップと最新のmacOS 14.1.1とSafari 17.1を搭載したMacBook Pro上でiLeakageが実行できるかを試したところ、同様の脆弱性を確認できた。

 具体的には、ターゲットのFacebookのパスワードを復元し、その後、Android携帯にSMSで送信された2要素認証(2FA)トークンをGoogleメッセージ経由で復元できることを示した。

被害者のスマートフォンは操作できないため、Googleメッセージ経由で2要素認証トークンを復元する様子

Source and Image Credits: Jason Kim, Stephan van Schaik, Daniel Genkin, Yuval Yarom. iLeakage: Browser-based Timerless Speculative Execution Attacks on Apple Devices



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