ITmedia NEWS > 企業・業界動向 >
ITmedia AI+ AI活用のいまが分かる

Google DeepMind、LLM採用AIシステム「FunSearch」で数学的難問を解決

» 2023年12月15日 09時27分 公開
[ITmedia]

 米Google傘下のGoogle DeepMindは12月14日(現地時間)、LLM(大規模言語モデル)とLLMによる幻覚(ハルシネーション)を防止する“評価器”を組み合わせた新たなシステム「FunSearch」を発表した。長年解決不可能な数学問題とされてきた「Cap set問題」を解き、実社会でも役立つ「ビンパッキング問題」のための効果的なアルゴリズムを発見したという。

 FunSearch(funは「楽しい」ではなく、「関数」に由来する)は、GoogleのLLM「PaLM 2」をコンピュータコードで微調整したバージョンの「Codey」を使っている。LLMは不正確な情報を幻覚させることが分かっているため、LLMの出力から不正確だったり無意味だったりする部分を拒否する“評価器”アルゴリズムを組み合わせているという。

 FunSearchはLLMと評価器による出力と評価を反復させていくことで、自己改善のループを形成する。

 funsearch FunSearchのプロセス(画像:DeepMind)

 FunSearchはビンパッキング問題で、「簡単なセットアップ」によって既存のヒューリスティックを上回るプログラムを提供したという。

 ビンパッキング問題の解決は、コンテナに荷物を積み込む方法から、データセンターでのコンピューティングジョブの割り当てまで、実社会で役立つものだ。Google DeepMindは、FunSearchであれば、簡単に検査して導入できる解決向けのコードを出力する。つまり、そのソリューションを実際の多様な産業システムに組み込んで、メリットをもたらす可能性がある」としている。

 詳細な論文はNatureのWebサイトで読むことができる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.