サードウェーブは12月26日、ゲーミングPC「GALLERIA」(ガレリア)シリーズを再現できる3Dシミュレーター「GALLERIA CUSTOMIZE SIMULATOR」を発表した。PC選びの新しい手段として、2024年1月26日からドスパラの一部店舗で展開する。
シミュレーターはWeb上で利用可能。ゲーミングPCの形状を細部まで忠実に再現できる他、パーツの入れ替えもでき、ポートの形状などを確認しながらPC選びを進められる。
ガレリアのようなゲーミングPCを初めて購入する人のハードルとなるのが、パーツ選びだ。シミュレーターでは、ガレリアの購入時と同じくBTO(Build To Order、PCの場合、パーツ構成をカスタマイズした上で注文すること)方式でパーツを選択できる。
各パーツにはスペックの情報もひも付いており、性能をチャートで表示することもできる。構成の合計価格もリアルタイムで確認できるので、予算と性能を考えながらパーツ選びを進められる。
GPUやメモリなど代表的なパーツも3Dモデルで表現しており、パーツの形状を確認できる。LEDライトの光り方を再現したり、エアフロ―を可視化したりする機能も備えている。
当初の仕様では、ガレリアの代表的なゲーミングPC2製品(Rシリーズ、Xシリーズ)をベースに、70以上のパーツを利用可能。今後はその他のガレリアPCに加え、クリエイター向けPC「raytrek」(レイトレック)にも順次対応する方針という。
今回のシミュレーターはサードウェーブ社内で企画・開発したものだ。サードウェーブ社内でゲームエンジン「Unreal Engine」の研修プログラムを実施している「XR部」が手掛けたという。
XR部はこれまでにも、ゲーミングPCの3Dモデル化に挑んでいる。例えば、4月には「GALLERIA Configrator」という展示で、ガレリアPCの3Dモデルを公開した。7月にはVRプラットフォーム「VRChat」内のイベントで「ドスパラメタバース店」として3Dデータを展示した。
今回のシミュレーターは、過去の取り組みを生かし、より実践的な販促ツールにするために開発したという。ドスパラの店頭では、スタッフが直販ページを表示しながら、PCの構成を説明することが多い。シミュレーターを活用することで、PCについての理解を深めてもらう狙いだ。
PC筐体の3DモデルはCADの設計図データから制作し、形状のリアルさを追求。CPUやメモリなどのパーツは、3Dモデルで形状を再現した上で写真でテクスチャを張り付けて表現したという。
サードウェーブの摩庭悠さん(XR部)は「選ぶ楽しさに焦点を当てて制作した。ガレリアの質感をいかに魅力的に伝えるかにこだわり、デザインに神経を尖らせて制作した」と話す。
Webアプリとしての制作期間は合計11カ月。初めの1カ月でワイヤフレーム(設計図)を制作し、社内テスト版を3カ月〜4カ月で制作。その後半年をかけて公開版へとブラッシュアップしたという。
ただ、実際に見てきた感想としては、まだ改善点もあると感じた。発表時点のGALLERIA CUSTOMIZE SIMULATORは、あくまで購入時のイメージをつかむためのツールで、PC選定時に必要となる情報が全て詰め込まれているとはいいがたい。
例えば、チャート形式で性能を表示する機能は一見便利だが、チャートが実際の利用シーンとどのように関連しているか想像しにくい。推奨ゲームタイトルごとに適切な構成などがあるとより便利そうだ。
GALLERIA CUSTOMIZE SIMULATORはドスパラ数店舗から試験的に展開する。来店客からのフィードバックを得たのち、2024年内にドスパラの直販サイトに導入する方針だ。
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