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輪島市西部で最大3mの地殻変動 だいち2号の観測データから解析 国土地理院

» 2024年01月02日 17時42分 公開
[井上輝一ITmedia]

 国土地理院は1月2日、JAXAの人工衛星「だいち2号」による観測結果を解析した結果、石川県能登半島で1日に発生した地震により輪島市西部で最大3mの地殻変動があったと発表した。

 解析には、1度目の観測画像と2度目の観測画像の差からずれを計算する「ピクセルマッチング法」と、1度目と2度目に照射した電波の位相差からずれを計算する「SAR干渉」を使った。

ピクセルマッチング法による解析結果(以下、国土地理院より引用)。茶色い部分は人工衛星に対して近づいている
SAR干渉による解析結果。能登半島全体で変動が見られ、特に干渉縞のない地域は変動が大きいとみられる

 このうちピクセルマッチング法による解析では、震央に近い珠洲市北部で暫定値として最大約1m、輪島市西部で最大約3mの「衛星に近づく変動」が見られたという。衛星と観測地点の位置関係からこの変動は隆起もしくは東向きとなるが、国土地理院測地部の小門研亮課長は「別方向からの観測データがなければ分からない。電子基準点の変化では西に移動しているため、隆起なのではないかと見立てて解析を進めている」と取材に答えた。

 干渉縞を見るSAR干渉では能登半島全体に変動が見られたとしており、干渉縞の見えない地域は特に変動が大きいと考えられるという。

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