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海岸線、地震で250m移動 能登半島北部 東京大地震研究所などが調査

» 2024年01月05日 15時43分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 1月1日に発生した能登半島地震で、石川県輪島市の漁港付近の広い範囲で3mを超える隆起があったと推定される他、隆起に伴って海岸線が海側に約250m前進したことが分かった。東京大地震研究所などが現地調査の結果を公表した。

photo 鹿磯漁港近くの砂浜で、地震によって前進した海岸線=3日11時、石川県輪島市(東京大学地震研究所提供)

 地震研や岡山大などの研究チームは、地震発生翌日の2日から震源域の南西部にあたる能登半島北部の海岸地形を調査。調査範囲の中で最も顕著な隆起がみられたのは鹿磯(かいそ)漁港(輪島市)で、約3.9mの隆起があったと推定されるという。この漁港付近の海岸線沿い約4kmにわたって、複数地点で3mを超える隆起が確認されたとしている。

 また、同漁港近くの砂浜で隆起に伴って約250mの海岸線の前進が確認されたという。

 一方、赤崎漁港(志賀町)では隆起が約0.25mにとどまったものの、港湾施設への津波被害が確認された。倉庫の外壁に残された痕跡から津波の高さは約4.2mと推定されるという。

 海岸隆起が大きい地点では顕著な津波被害は確認されず、逆に隆起が小さい地点では被害が確認されたとしている。

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