産業用ドローンなどを手掛けるスタートアップ企業のA.L.I. Technologies(東京都港区)が、2023年12月27日に東京地方裁判所へ破産申請し、1月10日に破産手続き開始の決定を受けた。帝国データバンクが15日付で報じた。
帝国データバンクによると、同社は研究開発投資がかさみ大幅な赤字決算が続き、22年12月期は約20億円の当期純損失を計上するなど厳しい運営を強いられていたという。負債は22年12月期末時点で約11億6750万円。
A.L.I. Technologiesは、16年9月に元代表の小松周平さんら東京大学で航空宇宙を研究する学生が中心となって設立したスタートアップ。ドローンシステムや機体の受託開発の他、ブロックチェーンデータベースの実装案件などを手掛けていた。
19年には「東京モーターショー」(当時)でドローン開発のノウハウを生かし、“空飛ぶバイク”こと「XTURISMO」(エックストゥーリズモ)を披露。21年10月には「XTURISMO Limited Edition」として世界限定200台の受注を始めた。価格は7770万円で、23年中の納品を予定していた。
また22年には当時放送していた「仮面ライダーリバイス」とコラボし、仮面ライダーリバイスが乗る「ホバーバイク」のベースに採用された。同年3月には北海道日本ハムファイターズの開幕戦で新庄剛志監督が「XTURISMO Limited Edition」に乗って登場するなど話題になっていた。
23年2月には当時親会社だった米AERWINS Technologiesが、特別目的買収会社(SPAC)の米PONO CapitalとDe-SPAC契約により企業合併し、米NASDAQに上場。いわゆる“SPAC上場”の日本初の事例として注目を集めた。
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