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Macintosh誕生40周年 コンピュータが未来だったあの時代小寺信良のIT大作戦(1/3 ページ)

» 2024年01月30日 12時00分 公開
[小寺信良ITmedia]

 初代Macintosh、のちにMacintosh 128Kと呼ばれることになるコンピュータが世界に発表されたのが、1984年1月24日。今年がちょうど40周年に当たるのだそうである。

初代Macintoshこと「Macintosh 128K」(引用:Wikipedia

 初代機はほとんど日本では使われなかったはずだ。メモリーが少なく、まだ日本語が扱えなかった。日本においては、1986年に発売されたMachintosh Plusのほうが初代という印象が強い。わかったわかったDynaMacとか面倒な事をいうな。そういうことを知ってて書いている。

 80年代半ばからWindows 95が出る90年代半ばぐらいまで、当時のコンピュータはどれも製品寿命が長かった。今のように毎年新モデルが出るようなことはなく、1台のコンピュータを長く使った。

 筆者が就職したのもちょうど1984年のことで、テレビ番組を制作するポストプロダクションにて、オンライン編集マンとしてのキャリアをスタートさせた。当時編集機は専用コンピュータで、インタフェースを介してVTRを操作しながら編集していく。

 激務だった。当時はそうした状況を表わす言葉がなかったが、今で言うところの「IT土方」である。言うなれば、「テレビ土方」か。給料も安かった。

 個人では家賃3万数千円の学生時代から住んでいた日当たりの悪いアパートで、YAMAHAのDX音源内蔵MSXを購入し、いつかは音楽家になれないかなと思いながら、コツコツと音楽制作を行なっていた。

 ソフトウェアはカセットになっており、音色作成カセットと譜面制作カセットを2本挿しして、シーケンサ兼音源として使用する。以前はバンドもやっていたが、自作曲がやれないということで、2人組のユニットを組んだ。当時シーケンサをバックにユニットでライブをやるグループは少なかった。

 筆者が買った初めてのMachintoshは、SE/30というモノクロの小型モデルだ。1989年発売だが、購入したのは1990年だった。当時の価格で40万円ぐらいしたのではないだろうか。

小型ボディながらパワフルな68030プロセッサを搭載した「SE/30」

 MSXでの音楽制作に限界を感じ、MIDIを使って手持ちの楽器を音源として使いたいということから、シーケンサソフトのOpcode Visionと専用インターフェースも一緒に購入した。合計で80万円近くになったはずだ。当時社会人になって6年も経っていたが、ローンでなければ買えるものではない。当時のシーケンスソフトの主流は「Performer」だったが、高くて手が出なかった。

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