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「やさしいせかい」目指したVTuber事務所、社長失踪で存続困難に 給与未払いの指摘も

» 2024年01月29日 12時28分 公開
[ITmedia]

 VTuber事務所のusabit.(ウサビット、北海道函館市)は1月28日、企業として存続が困難な状況になったと報告した。所属タレントはそれぞれフリーとして活動を続けるとしているが、給与の未払いなどを指摘する声も上がっている。

ファンコミュニティ「usadao」公式Xアカウントによる告知

 同事務所のファンコミュニティ「usadao」公式X(旧Twitter)アカウントは28日、「社長の失踪に伴い、当社の存続が困難な状況に陥っております」と報告。管理人は個人的なコメントとして「このような事態に至り、とても残念に思っております」とし、関係するクリエイターや外部取引先に謝罪した。

 社長のアカウント「うさぎガンマン」(@herschel_st)は1月21日を最後に更新されておらず、同社のWebサイトもアクセスできない状態。usadaoのDiscordサーバも今後は運用の予定がないとして、数日中にアカウントを削除するという。一方、X上では所属タレントや協力クリエイターが、未払いの給与などがあると声を上げている。

 usadao管理人は「皆様には様々な思いや言いたいことがあるかと存じますが、タレント、内部スタッフ、クリエイターを含め、皆様が被害者であるため、心無い言動や不必要な詮索はお控えいただければ最大です」として、ファンに自重を求めた。

 ウサビットは、2023年4月設立のVTuber事務所。同年7月に地域特化型ベンチャーキャピタルであるPOLAR SHORTCUT 1号ファンドを引受先とする第三者割当増資を実施。「やさしいせかい」を目指すとうたって配信者の募集を始め、現在は3期生の募集中だった。

ウサビットが配信者を募集した際のビジュアル

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