「iPhoneにタイヤをつけたようなクルマ」と表現されるTesla。IT・ビジネス分野のライターである山崎潤一郎が、デジタルガジェットとして、そしてときには、ファミリーカーとしての視点で、この未来からやってきたクルマを連載形式でリポートします。
前回のコラム「気になるテスラの「電気代」「整備費」 丸2年乗ったモデル3オーナーの、ランニングコストの総額は?」で、オートパイロットのリコールについて言及しました。今回は、それを受ける形で、Tesla車の魅力の1つであるオートパイロットについて、車載カメラによる動画を交えながら語ります。
オートパイロットは、アダプティブ・クルーズ・コントロール、オートステアリング、衝突回避機能といった、各種安全運転支援機能が動作した状態を示すシステムの総称です。
来るべき「自動運転」という目標を見据えた先進機能という意味で、トヨタの「アドバンスド・ドライブ」、日産の「プロパイロット」、ホンダの「センシングエリート」といった種類に属するものだと理解しています。
筆者は、2021年9月からModel 3に乗り始めました。これまでに21回のソフトウェアアップデートが降ってきましたが、その全てではないにしろ、アップデート後に「APの挙動が改善されているな」と思うことがままあります。
Teslaはアップデートの内容を都度公開していますが、オートパイロットの改善や調整といった言語化や可視化が難しい内容までは、言及しないことが多いようです。
筆者が進化したなと感じる一例を示しましょう。以前は、首都高速都心環状線外回りの銀座付近のきつめのカーブをオートパイロットを作動させたまま通り抜けることができませんでした。
カーブへ進入したかと思うと、「カックンブレーキ」発動でとても「任せる」気にはなりません。また、オートステアリングについても、カーブ途中でアラート音が鳴りドライバーの介入を促されていました。
その後も、このカーブを通るたびにオートパイロットの挙動を定点観測していました。次の動画は、2023年11月末に前述のカーブでオートパイロットを作動させたまま通り抜けた状況を映したものです。以前より、明らかに進化しています。60〜50〜60km/hとスムースなブレーキングからの加速、さらに車線中央を確実にトレースするハンドル操作で何事もなく通過しています。
同じような進化は、首都高速三ツ沢線から横羽線に合流する金港JCTのカーブ、第三京浜道路終点玉川ICのカーブなどでも感じています。ただ、毎回、通行のたびにスムースな挙動を示すのかというと、そうではない点が残念なところです。以前のカックンブレーキほどではないにしても、ときどき、ぎこちない減速挙動を示す場合もあり、100%確実というわけではありません。さらなる進化に期待したいところです。
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