「iPhoneにタイヤをつけたようなクルマ」と表現されるTesla。IT・ビジネス分野のライターである山崎潤一郎が、デジタルガジェットとして、そしてときには、ファミリーカーとしての視点で、この未来からやってきたクルマを連載形式でレポートします。
Model 3に乗り始めてから2023年9月の時点で2年が経過しました。今回は消費電力や整備費用など、家計簿的な目線でこの2年を総括します。
導入から2年、電気料金の上昇に伴い運用上のコストパフォーマンスが悪化しています。自宅充電が中心の筆者ですが、2年前の納車時、昼間の電気料金が当初25.29円/kWh(再エネ付加金や燃料調整費を除く)だったものが、最近は、36.14円/kWhと3割ほど値上がっています。
ただ、筆者の場合、深夜1時から5時のオフピーク割引時間帯を中心に充電しています。しかし、その料金も当初の20.29円/kWhから25.29円/kWhへと25%程度上昇しています。
値上げはそれだけではありません。外出時に利用するTesla専用充電ネットワーク「スーパーチャージャー」も、購入時と比較して段階的に値上がりしています。条件次第ですが、おおむね2倍になったイメージです。そのため、低燃費のハイブリッド車で遠出するのとコスト的に大差ないレベルに達していると思われます。
具体的な数字を示しましょう。納車から2年間で、約2万300kmを走りました。その内の自宅や宿泊先でのAC電源からの充電代は、合計約7万7500円です。それに加えスーパーチャージャー利用の合計額は1万9910円、CHAdeMO等公共の充電代金は9800円です。
また、充電料金以外に、ZEPS3という日産が提供する充電カードの基本料金7カ月分3850円を支払っていました。この2年間で合計、約11万1000円のエネルギーコストがかかったことになります。ちなみに、ZEPS3は、提供条件が変わったため解約しました。
実質燃費約30km/Lのハイブリッド車の場合、ガソリン価格160円/L〜170円/Lとして、約10万8000円〜11万5000円なので、コスト的には、ほぼ同等という計算です。対ハイブリッド車という視点であれば、EVであることのコストメリットは薄れています。
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