ITmedia NEWS > 製品動向 >

テスラの運転支援「オートパイロット」って実際どうなの? 「モデル3」オーナーが感じた“能力の高さ”とは走るガジェット「Tesla」に乗ってます(2/3 ページ)

» 2024年02月01日 12時00分 公開
[山崎潤一郎ITmedia]

アクシデントに先んじて危険を察知する?

 オートパイロットには、実際のアクシデントに先んじて危険を察知し、音によるアラートを発したり、自動ブレーキを作動、状況によってはハンドルを自動操作する機能があると言われています。次の「Tesla Autopilot predicts crash seconds before it happens」と題した2016年12月の動画には、事前に危険を察知する様子が記録されています。ちなみに、オートパイロットのリリースは2014年です。

事故発生前に1台先の渋滞を認識して警告音を発するオートパイロット

 ドライブレコーダーを搭載したTesla車のすぐ前を走るオレンジ色のクルマが右にウインカーを出し、右に進路を変更した瞬間に警告音が鳴り、ドライバーに注意喚起した上で、オートパイロットが自動解除(「プンポン」というアラート)されています。次の瞬間、オレンジ色のクルマが、渋滞最後尾のSUVに激突しています。

 この動画からは、前方が渋滞していることに気づくのが遅れたオレンジ色のクルマが慌てて車線変更したものの、回避が間に合わず、SUVに後方から突っ込んだということが読み取れます。

 Teslaビジョンは、オレンジ色のクルマが右に進路を変更した瞬間にその先が渋滞していることを認識した上で、オレンジ色のクルマのブレーキランプが点灯しなかったため激突すると判断して、実際に激突するより前にアラートを発したものと思われます。この動画からは、自動ブレーキが作動したかどうかはわかりません。

 実は筆者も先日、首都高速道路横羽線で「もしかしたら」という経験をしました。車載カメラによる動画でご覧ください。

右ランプからの合流車はスクリーンに非表示だが、Teslaビジョンとしては認知しているものと思われる。著作権やプライバシー保護のために音声の一部を加工済み

 左側の車線を一定の車間を保ちながら流れに合わせて走行していたところ、右車線の併走車(軽ワゴン)に対し、後ろから急速接近した白いミニバンが急ブレーキを踏んでいます。その瞬間にアラートが発せられ、自動ブレーキが発動しました。

 動画をご覧頂くと一目瞭然ですが、そこはちょうど右ランプからの合流地点で、軽ワゴンが合流車に譲る形で減速しているところに、白いミニバンが急接近しています。

 これは筆者の推測ですが、ランプからの合流車を起点としたアクシデントの発生をTeslaビジョンが予測して警告音を発し、自動ブレーキがかかったと考えることができます。このときは、オートパイロットは自動解除されることなく、危機が過ぎ去ると自動加速して通常運転に復帰しています。この間、ドライバー(筆者)は、運転に介入していません。

 「急減速したら後方から追突される危険があるのでは」というご意見があるかもしれません。しかし、Teslaビジョンは後方も監視しているので、追突の危険があれば、それを回避するために、可能な範囲で自動加速する可能性もあります。実際、YouTubeにおいて、渋滞時、後方からの玉付き衝突を避けるために自動加速したModel Xの動画を見たことがあります。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.