月面着陸に成功した小型月着陸実証機「SLIM」が、14日間続いた極寒の夜を越え、2月25日に通信を再開した。JAXA(宇宙航空研究開発機構)が2月26日、SLIMのX公式アカウントで発表した。
25日に地上から送信したコマンドに対してSLIMから応答があり、通信機能を維持して夜を越えられたことが分かったという。
月面では14日間続く灼熱の昼と、14日間の極寒の夜が訪れる。月面の昼は110度、夜はマイナス170度になるとされ、SLIMの設計範囲を超えた非常に厳しい温度環境だ。
SLIMは1月20日に月面に着陸。一時、太陽電池による発電ができず運用を停止していたが、その後、通信を確立。着陸地点が日没を迎えたため1月31日運用を停止し、冬眠状態になっていた。
夜の極寒でSLIMの機能喪失も懸念されていたが、2月25日夜、無事に電波の送受に成功した。通信時、一部の機器の温度は最初から100度を超えていたため、通信は短時間で終了した。今後、温度が十分に下がったところで観測を再開できるように準備していくという。
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