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「モバイルバッテリー炎上」から考える、正しい廃棄方法 回ってきた“10年のツケ”小寺信良のIT大作戦(1/3 ページ)

» 2024年02月26日 19時00分 公開
[小寺信良ITmedia]

 2月6日の午後6時過ぎ、山手線の車内でモバイルバッテリーが燃えるという事故があった。JR池袋駅に停車中の車内で、男性乗客のカバンに入っていたモバイルバッテリーから火が出たという。男性は「熱い」などと言いながらバッテリーを取り出し、床に投げ捨てたという。

 燃えているのだから、それは熱いどころではないだろう。そのままにしておけばかばんの中身まで燃えてしまう。床に投げ捨てたのは、致し方ないところかと思う。だがその後が良くなかった。男性はそのまま立ち去ったという。

 幸い20分後には消し止められたが、燃えてしまってはどのメーカーのどのモデルが発火したのか、追うことができなくなった。それが分かれば、同モデルの出荷停止や使用停止の呼びかけなど、一連の対応ができたはずだ。

 恐らく男性は、発火の責任を問われると思い、逃げたのかもしれない。だが実際自分の身に置き換えてみると、突然手持ちのモバイルバッテリーがカバンの中で発火したなら、取りだして床に投げ捨てる意外の方法があっただろうか。

 現在モバイルバッテリーは大量に普及しており、ある意味誰にでも起こりうる事故だろうと思う。ただこうしたバッテリー炎上の場合、使用者責任が問われることになるのかは難しい問題だ。製造に問題があった場合には使用者の過失にはならないが、過去に落としたり高温にさらしたりといった事情があれば、使用者の過失が問われるかもしれない。

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