日本マイクロソフトは2月20日、生成AIに関する企業向けイベント「Microsoft AI Tour」を東京ビッグサイトで開催した。基調講演には、日本マイクロソフトの津坂美樹社長らが登壇。基調講演の中で津坂社長は「AIを語る段階を卒業し、スケールさせ、フル活用の1年になる」と話し、2024年が生成AIの飛躍の年となることを予告した。
その自信を裏付けるのは、生成AIが生み出すという莫大な経済効果だ。経済産業省が20年に公開した報告書では、中小企業がAIを活用すると、25年に11兆円のGDP押し上げ効果があり、日本全体で34兆円の経済効果があると試算している。Microsoftの独自試算でも、1ドルのAI投資に3.5ドルのリターンが見込めると算出している。
Microsoftでは、AIアシスタント「Microsoft Copilot」を展開中。同社の各製品へAI導入を進めており、Windows 11やMicrosoft Office(Microsoft 365)」なども、AIによるサポート機能を搭載し始めている。
津坂社長は「生成AIは使い込むと潜在力を発揮できるツールだ」とアピール。「今日集まったみなさまには『AIの筋トレ』をやっていただきたい。最初はある程度筋力がついたかなという実感があっても、なんとなく自分のスキルが横ばいになると感じる時期もある。けれども毎日続けることでCopilotと一緒に議論し、どんどん自分の“AI筋”がついてきたのを実感する日々だ」と話した。
続いて、米Microsoftからエグゼクティブバイスプレジデント兼CMOの沼本健さんが登壇。1時間に渡るプレゼンテーションを行い、自社業務へのCopilot導入のコツを「3つの方法論」を挙げて紹介した。
沼本さんが挙げたのは、(1)まずはMicrosoftが制作したCopilotを活用してビジネスの生産性を向上する、(2)自社の使い方やニーズに合わせて、カスタマイズしたCopilotを作る、(3)自社データを保護できる、信頼に足るデータ基盤を使う、の3つだ。
まず(1)について、WindowsやWordやExcel、Outlookなどを自社の環境で取り扱えるならば、Copilotはそれらを使った業務フローの中で自然に使い始められるのが利点にあると、沼本さんは説明する。
またMicrosoftでは“職能別のCopilot”も提供している。例えば営業向けの「Copilot for Sales」では、商談の録音から報告書にまとめて、Salesforceなどの営業支援ツールへ保存可能。他にもカスタマーサービス用のAIや、ソフトウェア開発者向けのAIなどもあり、これらはOffice製品と組み合わせられるため、AI活用を始めるためのハードルが低いとしている。
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