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従来型のオンプレミスのみをサポートするベンダーは市場から消滅しつつある──ガートナーが指摘 「日本企業にとって事態は相当に深刻」

» 2024年03月11日 17時29分 公開
[新野淳一ITmedia]

この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「従来型のオンプレミスのみをサポートするベンダーは市場から消滅しつつあり、ほとんどの日本企業にとって事態は相当に深刻。ガートナーが指摘」(2024年3月8日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。

 ガートナージャパンは、「オンプレミスの将来に関する最新の展望」を発表しました。

photo オンプレミスの将来に関する最新の展望

オンプレミス・テクノロジが衰退していく

 発表の中で同社は「企業は現在のオンプレミス・テクノロジが衰退していくことを前提に、プラットフォームとしての『インフラのグランド・デザイン』を再考する必要があります」とオンプレミスの衰退は企業にとって前提であることを強調しました。

 その上で「2027年までに、オンプレミスを継続しているユーザー企業の70%は、Oldオンプレミスのベンダーが市場からいなくなっていることにようやく気が付き、途方に暮れる」と説明しています。

 Oldオンプレミスとは、同社が「Newオンプレミス」と呼ぶ、ハイパーコンバージドシステムやクラウドとの連携可能な統合システムなどを始めとする、クラウドネイティブな考え方を取り入れたシステムではないシステムのことです。クラウドネイティブな要素を持たない従来型のオンプレミスシステムを指します。

ほとんどの日本企業にとって自体は相当に深刻

 ガートナーは発表の中で「従来型のオンプレミス(Oldオンプレミス)のみをサポートするベンダーは市場から消滅しつつあり、国産ベンダーは、サーバはもとより、メインフレームから撤退し始めています」と指摘。

 「こうした状況は、業務システムはもとより、社会と経営の安定を支える重要な基幹系システムの将来が不透明になりつつあることを表しており、ほとんどの日本企業にとって、事態は相当に深刻であると言えます」と、同社ディスティングイッシュト バイス プレジデント アナリスト亦賀忠明氏は警鐘を鳴らします。

 同社は1年前の2023年3月のGartner、オンプレミスに関する展望を発表」で、「2026年までに、オンプレミス・ベンダーのテクノロジの90%がNewオンプレミスになる」と、従来型オンプレミスを提供するベンダそのものが変化するとも予測しています。

誰も支える人がいなくなる、というリアリティ

 ガートナーは、従来型のオンプレミスを代替するテクノロジとして最も有力なのがAWSやMicrosoft Azureなどの、いわゆるハイパースケーラーと呼ばれるクラウドベンダーのテクノロジだとしています。

 しかしハイパースケーラーの技術を利用するには「新たなスキルだけでなく、時代に即したマインドセット、スタイルといった新しいケイパビリティが必須となります」と同社は指摘し、今後多くの企業で、それらを獲得しようという動きが加速していくと予想しています。

 その上で亦賀氏は次のようにまとめています。「『今付き合いのあるベンダーやシステム・インテグレーターが、現在のテクノロジをこれまでと同様にサポートし続けてくれる』と考えるのは大きな誤りです。

 テクノロジの衰退に伴い、ベンダーやシステム・インテグレーターにおいてもそれを扱うエンジニアが減少し、『誰も支える人がいなくなる』というリアリティを深刻に捉える必要があります。

 今後、ハイパースケーラーの理解は不可欠となるため、スキルの早期獲得に向けた施策の推進や、次世代対応に向けた既存要員の強化が必須となります。

 世の中が根本から変化していることを理解し、2030年以降のNew Worldに向けて、スーパーパワー・テクノロジ(想像を超えたテクノロジ)と新たなテクノロジ人材による力強い次世代のビジネス戦略の立案と展開をスタートする必要があります。

 そのためには、現在のOldオンプレミスのマイグレーションだけに気を取られるのではなく、次世代のビジネス・アーキテクチャまでも視野に入れた産業革命への対応を企業戦略として推進する必要があります」

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