民間企業のスペースワン(東京都港区)が小型ロケット「カイロスロケット」を3月13日に打ち上げたが、直後に爆発した。一報が伝わると、キヤノン電子など関連企業の株価も急落した。
スペースワンは、キヤノン電子、IHIエアロスペース、清水建設、日本政策投資銀行が出資して2018年に設立した。小型の専用ロケットと専用の射場を使うことで低コスト化を図る戦略で、宇宙輸送サービスの事業化を目指している。
13日午前11時過ぎ、スペースワンは和歌山県串本町に建設した専用の射場「スペースポート紀伊」からカイロスロケットの打ち上げに臨んだ。しかしロケットはリフトオフの数秒後に空中で爆発。射場に煙が立ちこめた。
この模様は多くのテレビ局がYouTubeで生配信していた。テレビ和歌山による公式生配信は、平日の午前中にもかかわらず、一時4万人以上が視聴。ロケットの爆発や地上で燃える様子なども映し出され、視聴者からため息が漏れた。
カイロスは内閣衛星情報センターの「短期打上型小型衛星」を搭載し、成功すれば国内初の民間企業による衛星打ち上げになる予定だった。打ち上げ失敗の情報が伝わると、関連企業の株価は下落。中でもスペースワンの主要株主の1社であるキヤノン電子は、一時240円を超える暴落となった。
カイロスロケットは全高18m、約23tの固体燃料ロケット。商業サービスとして、契約から打ち上げまでの“世界最短”や、打ち上げの“世界最高頻度”を目指しており、ギリシャ神話に登場する時間の神「カイロス」から命名したという。
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