あの頃は「原色フィルターCCD」か「補色フィルターCCD」か論争があって、原色フィルターは解像感や感度が落ちるけど発色がいい、補色フィルターは高感度で解像感は出るけど色はイマイチという特徴があり、富士フイルムは一貫して「原色フィルター」のCCDを採用していた。
色を重視する富士フイルムならではだなあと思ったのを覚えている。ちなみにコダックは富士フイルム以上に鮮やかで濃ゆい色の写真を撮ってくれた。東京の空がカリフォルニアの青い空に見えるといったとかどうとか。コダックと富士フイルムというフィルムメーカーの2社が色を重視していたのが面白いなと思う。
やがて富士フイルムは「スーパーCCDハニカム」という独自構造のCCDを開初したり解像度重視と高感度重視を切り替えて使えるCCDを開発したりで主力モデルは特に積極的に新しい技術を取り入れてたのが好印象だった。
特筆すべき機種としては、600万画素でなおかつ高感度に強い「FinePix F10」やネオ一眼と称した一眼レフ風の大きなボディに高倍率ズームレンズを搭載したシリーズか。
残念だったのは記録メディア。スマートメディアがその歴史を終えようとしていた頃、次世代メディアとしてSDカードではなく「xDピクチャーカード」を採用したこと。スマートメディア陣営の多くがSDカードへ移行するなか、富士フイルムとオリンパスだけがxDピクチャーカードを採用したのである。富士フイルムのオールドコンデジを使いたいという人はメディアに注意すべし。
2010年代にはいると、他社と同様にCCDからCMOSセンサーへ移行し、2010年代後半にはコンパクトデジカメの市場が縮小していくのにともなってFinePixシリーズの新製品もなくなり、現行モデルは防水の「FinePix XP140」だけである。
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