富士フイルムが1月20日に創業90周年を迎えた。特設サイトも設置されている。
設立当初の社名は「富士写真フイルム」。大日本セルロイドから写真フィルム事業を独立させたのがはじまりだ。
と、ここで延々と富士フイルムの歴史の話をするつもりはなくて、そんな写真用フィルムを祖業とした、フィルム業界を米Kodak(コダック)とともに引っ張ってきた会社ならではのデジタルカメラの話をしたい。
富士フイルムはフィルム業界最大手でありながら、どこよりも早くデジタルカメラを手がけてたのだ。
デジタルカメラの発明自体はコダックなんだけど、今のデジタルカメラの原型となる「イメージセンサーで撮影した画像をデジタルデータとしてメモリカードに保存する」カメラを最初に開発したのは富士フイルムなのである。1988年の「DS-1P」だ。
富士フイルムではこれを「世界初のフルデジタルカメラ」と呼んでいる。市販はされなかったが、翌1990年には「DS-X」を発売した。
ソニーの「マビカ」の方が早くない? と思う人もいるかもしれないが、マビカは画像を2インチの磁気ディスクに「アナログデータとして記録する」もの。スチルビデオカメラ、あるいは電子スチルカメラと呼ばれていたが、アナログ記録なので「デジタルカメラとは呼ばない」のである。
その点、富士フイルムのDS-Xは「フルデジタルカメラ」だったのだ。
1993年には「フラッシュメモリカード」へ記録する「DS-200」を発売。このときはまだ業務用という位置づけで価格もそれなりに高かった。
たまたまその後継機「DS-220」(1995年)で撮った写真があったのでどうぞ。35万画素である。液晶モニターはオプションだった。
しかも1995年には「デジタル一眼レフ」も投入してるのである。
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