それが「DS-505」。ニコンとの共同開発で(ニコンはE2という名前で発売)、ボディ部分はニコンでマウントもニコンのFマウント。センサーサイズは小さかったが、「縮小光学系」(小さなセンサーで35mm判と同じ画角を得るためにマウントとセンサーの間に光学系を入れたもの)を採用したため、ボディの奥行きが長く、画質もイマイチだったのだっただけど、フィルム全盛期でありながらいち早くデジタルも手がけていたってのが分かるかと思う。
でも、1994年にアップルが「QuickTake 100」(製造はコダック)をMacintosh用の画像入力装置という位置づけで約11万円で発売、1995年春にはカシオ計算機が回転液晶モニター付きの「QV-10」を、約6万3000円と当時としては破格で発売している。
ここからコンシューマー向けの液晶モニター搭載デジタルカメラの時代が急激に立ち上がる。
富士フイルムもその流れに乗って1996年に「DS-7」が登場。記録メディアはスマートメディア。愛称は「CLIP-IT」だった。
1997年には業務用のハイエンド機「DS-300」を投入。3倍ズームレンズを搭載し、1280×1024ピクセルと100万画素を達成。記録メディアはPCカードのフラッシュメモリ。
今見ると、記録メディアに歴史を感じますな。
DS-300は、当時としてはバリバリのハイエンド機で、液晶モニターも持たずファインダーは光学ファインダーのみだったのだが、画質的にもワンランク上だったので仕事でも随分活躍してくれた。これは1998年のMacworld SFにおけるスティーブ・ジョブズ氏。フラッシュ撮影はダメと言われていたのでつらかったけど。
さて「CLIP-IT」の時代は短く、1998年には「FinePix」というブランドに切り替わり、画期的なカメラが登場する。縦型デザインで100万画素を超えるメガピクセル機「FinePix 700」である。
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