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小林製薬、研究所サイトの「紅麹」のページを一時非公開に 「社内で議論あった」

» 2024年03月25日 18時57分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 小林製薬が自主回収を進めている「紅麹(べにこうじ)」製品をめぐり、同社中央研究所のWebサイトで紅麹研究に関するページが一時的に非公開となる一幕があった。小林製薬によると「社内で議論があった」という。

小林製薬中央研究所のWebサイト

 このWebサイトでは、研究成果の一つとして紅麹を紹介しているが、3月24日の夜に紅麹に関連するページのみ公開を停止した。これには「紅麹の健康効果」「紅麹:ヒトにおける安全性確認試験」「紅麹:発酵に伴う成分量の変化」といった学術情報のページも含まれていた。サイトのトップページでは「紅麹に関する研究報告の情報公開を中止しました」と告知していた。

 同社によると「これらのページは研究成果をアピールするためのもの。自主回収を進める中では、内容が相反するのではないかと社内で議論があった」という。

 しかし、翌25日の午前中には方針転換し、再度ページを公開した。「(公開中止で)これまでご覧になっていた方々が混乱したり、誤解を招いたりする可能性もある。このため、公開しながら自主回収の対応を進めることにした」と説明している。

「紅麹(べにこうじ)」研究のページ
25日午前の様子

 小林製薬は22日、紅麹を含む機能性表示食品を摂取した人に腎疾患などの症状が現れ、成分分析で紅麹原料の一部に想定していない成分を含む可能性が判明したため、「紅麹コレステヘルプ」など3商品を自主回収すると発表した。25日までに把握した入院症例は26件となった。

 また紅麹原料はサプリメント用途などに向け、他社へも販売していた。供給先は52社あり、これまでに宝酒造や紀文食品、タケヤみそなどが紅麹を使用した製品の自主回収を発表している。

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