便器に汚れが残ってしまう原因の1つに、便器の水流ムラがある。一般的なトイレは、奥の1カ所から水が出て、ぐるりと便器内を回って汚れを洗い流す。出始めの水流は勢いがあるもの、後半は弱くなってしまううえ、さらに排水口の上部など、そもそも水が届かない場所などもあった。水流が弱くなりがちな箇所や水が届かない箇所に汚れが残りがちで、放置するとこびりつくいてしまう点が課題だった。
SATIS Xは、便器内を3つのエリアに分けて洗う仕組みを採用。左右と後方から吐水できるようにした。しかし、ただ3カ所から水を出すだけでは、水流に勢いがなくなり、うまく洗えなかったそうだ。
そこで3カ所からの吐水タイミングを変更。順番に出すことで水の勢いを維持しつつ、広範囲の洗浄を実現したという。
「日頃、トイレを使ったときに、どういったところに汚れがつくのかを、モニターや実験で何度も何度も繰り返し調査しました。今回の技術は8年くらい前から開発してきたものです。水流は距離が長くなると弱くなります。だから3カ所から水を出すことで、水流の距離を短くし、水流が弱くなる場所をなくしているのです」(田中さん)
3方向から水流が出る便器は過去につくったことがあったそうで、これをリニューアル。とはいえ、SATIS Xの開発にあたっては、水が出る位置を見直し、洗浄性能を高め、洗えない部分をなくしている。
トイレ使用のたびに水の力で汚れを落とす機能として、ほかに「ノズルオートクリーニング(パワフル)」「シャッタークリーニング」がある。ノズルオートクリーニングは、従来の2倍以上の水流で洗浄する。またノズルシャッターはこれまで洗浄されることがなかった場所だったため、販売店などからも好評だという。
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