数多くのメーカーから発売されている縦型洗濯機。そのなかでも、黒カビが衣類に付着しにくいシャープの「穴なし槽」は他社にはない個性的な製品として、一部ユーザーから強い支持を集めている。
一般的な洗濯機は槽が2重になっており、内側の洗濯槽の側面には小さな穴が複数開いていて、外槽に水をためる。洗濯槽の底にあるパルセーターで水流を発生させ、内側の槽も回転しながら、洗浄水やすすぎの水が洗濯槽と外槽を行き来して、内部が撹拌(かくはん)される。
しかし穴なし槽では、洗濯槽は2重構造だが内側の洗濯槽に穴が開いていないため、水は内側の槽にだけたまる。また排水後の脱水時は、衣類に含まれていた水は側面の穴からではなく、槽上部から遠心力を利用して排水される。外槽に水がたまらず、洗濯槽の外側もあまり濡れない。
洗濯機では主に外槽の内側や洗濯槽の外側にカビが発生してしまうが、穴なし槽では黒カビが発生しにくく、発生しても洗濯槽内部に侵入しにくいというわけだ。シャープではこの穴なし槽を洗濯乾燥機、全自動洗濯機の多くのモデルで採用している。
シャープは、2023年が穴なし槽を開発して30周年となることを記念して、家庭で実際に利用されてきた古い穴なし槽の洗濯機の汚れを検証するキャンペーンを実施。X(旧Twitter)上で募集したところ、なんと30年前に発売した初代モデル「ES-BE65」が見つかったという。
この30年経った穴なし槽洗濯機の検証結果と、穴なし槽のこれからについて話を聞いた。
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