シャープが縦型洗濯機に穴なし槽を採用したのは1992年。シャープの担当者によると、当時は地球温暖化に対する世間の関心が強く、節水に対するニーズがあったそうだ。内側の洗濯槽だけに水をためる穴なし槽は、しっかりと洗えて、しかも節水できる洗濯機として開発された。
11kgの衣類を洗濯する場合、穴なし槽なら1回あたり約35L節水できる(最新モデルのES-PW11Hの場合)。実は黒カビが付着しにくいというメリットは、あとから分かったそうだ。
「もともと穴なし槽は“節水”という視点で開発が始まりました。洗濯槽に穴があると外槽が必要になり、そこに水がたまる。この水が無駄なのでそれを減らせないかっていうのがスタートでした。ただ、洗濯槽に穴がないと、脱水時にうまく水が抜けませんでした」(シャープ Smart Appliances & Solutions事業本部 清潔ランドリー事業部 国内商品企画部 部長 北川秀雄さん)
そこでシャープでは、洗濯槽上部の角度を外側に1度開くことで、脱水時の水が遠心力で上から抜けるようにした。こうすることで洗濯槽の穴が不要となり、外槽に水をためる必要がなくなった。さらに洗濯工程の最後に、衣類が含んでいたきれいな水が洗濯槽上部から出て、洗濯槽の外側を毎回洗い流し、清潔性を保つ状態になった。外側を流れた水は、洗濯槽の中に入り込むこともない。
節水性の高さと衣類に黒カビが付着しにくい構造は、シャープの穴なし槽だけなのだ。
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