米AWSがスタートアップ向けの無料クレジットプログラムを拡大する。ロイターによる取材の中で明らかにした。生成AIサービス「Amazon Bedrock」のシェア拡大を狙った施策という。
AWSは米Anthropic、米Meta、仏Mistral AI、カナダCohereなど、非Amazon製AIモデルの利用料を支払うときにも無料クレジットを使えるようにした。
AWSのバイスプレジデント兼スタートアップ担当グローバルヘッドのハワード・ライト氏は「これは、スタートアップがAWSを第一の選択肢として選び続けてくれることを期待して、スタートアップのエコシステムに還元するもう一つの贈り物だ」とした。
この動きは、AWSがAnthropicに40億ドルを投資したことに関連するものだ。契約の一環として、AnthropicはAWSをプライマリークラウドプロバイダーとして使用し、「Trainium」「Inferentia」といったAWS独自のAIトレーニングチップでモデルを構築する方針を発表している。
ライト氏は無料クレジットについて、Bedrockで最も人気のあるモデルの一つであるAnthropicの収益に貢献するとした。「これはエコシステム構築の一部だ。我々はそれを隠そうとはしていない」として、AWSはスタートアップに幅広い選択肢とセキュリティを提供していると付け加えた。
Amazonは過去10年間で60億ドル以上のクレジットをスタートアップに提供してきたという。
例えば1月には、米インキュベーターY Combinatorとのパートナーシップに基づき、AIモデルやAIトレーニングチップの利用料を支払える50万ドル分のクレジットをスタートアップに提供した。従量課金制のAIは、スタートアップにとってコスト的な負担になる可能性があるためだ。
ただ、同様の施策は他のクラウドプロバイダーも行っている。Microsoft Azureは米OpenAIのモデルに使用できるクレジットを提供し、米GoogleはAIサービス「Vertex AI」上で使える130以上のモデルの利用料を支払えるクレジットを提供している。
ビッグテックのAIスタートアップへの投資は、規制当局の精査も招いている。米国連邦取引委員会(FTC)は米MicrosoftのOpenAIへの支援、GoogleとAmazonによるAnthropicへの投資について調査を開始している。
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