謎解きと演劇を組み合わせた公演「密室は致死量の未来を予言する」の内容に、既存の人気ミステリー小説から盗用が多数あるとSNSで指摘されていた問題で、主催するすゞひ企画は5月7日、同日から9日までの公演を中止すると発表した。
既存作品と酷似した原因は、「外部スキルマーケットサービスを介して、脚本の草案を提供してもらった」ところ、「既存作品のアイデアや台詞が草案に組み込まれてしまった」ため。今後の公演は内容を入れ替えるか、中止するかを協議しているという。
6人1組で挑戦するゲーム形式の公演。演劇中に殺人事件が発生し、その真相を来場者が謎解きしていく。登場人物と会話したり、部屋を捜索するなどして推理し、「捜査報告書」(解答用紙)に記入。捜査時間が終わると解決編の演劇が上演される。
東京公演は5月2日にスタートしたが、観劇した推理作家がXで、公演名を伏せた上で「複数のミステリー小説から、ストーリーや設定、トリックなどの盗用がある」と指摘し、騒ぎになっていた。
すゞひ企画は7日に発表した声明で「公演内容が既存作品と類似していると問い合わせがあった」ため調査したところ「指摘の通りの類似点が多数発見された」と認めた。
外部スキルマーケットを通じて提供を受けた脚本の草案に既存作品のアイデアが組み込まれていたことが原因とし、「制作体制の不行き届きが招いた結果」「脚本演出の鈴木秀明の責任は大きい」などと反省を述べている。
中止になった東京公演のチケットを購入した人には全額を返金。既に観劇したが、今回の事実に不快感を覚えた顧客にも返金する。今後予定していた大阪公演、名古屋公演は、内容を入れ替えるか中止にするかを協議しているという。
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