米Google傘下のGoogle DeepMindと系列のAI創薬企業Isomorphic Labsは5月8日(現地時間)、共同開発した新たなAIモデル「AlphaFold 3」を発表した。
「タンパク質、DNA、RNA、リガンドなどの構造とそれらがどのように相互作用するかを正確に予測することで、生物学の世界と創薬に対する私たちの理解を変えることができる」としている。
AlphaFoldは、2012年にDeepMindが発表した遺伝子配列情報からタンパク質の立体構造を予測するAIシステム。これまでのバージョンでは、タンパク質の3D構造を化学成分から予測することに重点を置いていたが、AlphaFold 3は3D分子構造のグローバルなデータベースでトレーニングされており、タンパク質と他の分子やイオンとの相互作用についての予測で進歩したという。
Isomorphic Labsは、AlphaFold 3を社内のAIモデルの補完スイートと組み合わせて使用することで、社内プロジェクトおよび製薬パートナーとの医薬品設計に取り組んでいる。これにより、「以前は手の届かなかった既存の疾患を追求する新しい方法を開発することで、医薬品設計の成功を加速および向上させている」という。
両社はこのモデルの限定バージョン「AlphaFold Server」をオンラインで無料公開している。
Googleアカウントさえあれば、誰でも無料で利用できる。利用可能なジョブの最大サイズは5000トークン。1日当たり10件のジョブを実行できる。
両社は、AlphaFold 3も他のAIモデル同様に「出力が常に正しいとは限らない」が、「生物学と創薬に対する理解を確信する一助になることを願っている」としている。
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