家電を共通のバッテリーで動かすと何が便利？ 山善「バッテリー家電」の狙い（1/2 ページ）

[ITmedia]

　山善は5月15日、共通のバッテリーパックで動く家電シリーズ「ELEIN」を発表した。6月上旬から夏にかけ、スポットクーラーや扇風機、保冷温庫などを順次発売する。

左から「コンパクトクーラー」「ポータブル保冷温庫」3タイプ、工場扇、扇風機

　発想としては、広く普及した電動工具の着脱式バッテリーを活用し、現場用の掃除機や電子レンジまで販売しているマキタに近い。事実、山善もマキタの電動工具用バッテリーがベンチマークだと公言している。

ポータブル電源で共通バッテリーを充電中

　複数のバッテリーを持っていれば、例えば扇風機のバッテリーが切れたらクーラーに装着していたバッテリーを拝借するといった使い回しができる。バッテリーを交換できる扇風機なら、バッテリーが切れても通常のコードレス扇風機と違い、コードレスのまま使い続けられる。もちろん使う場所を選ばないというコードレス家電のメリットも大きい。

　それだけではない。シリーズ名の「ELEIN」は、「ELECTRIC」に「IN」を掛け合わせた造語だという。電気を使う家電だけではなく、電気をつくる太陽光パネル、電気を貯めるポータブルバッテリーも用意することでアウトドアや防災グッズとしての利便性を加え、さらに節電にも向いた家電としての需要も取り込む考え。

　山善は「現状、工具や一部家庭用品でしか使われていないパック式のリチウムイオンバッテリーを家電と掛け合わせ、電気にまつわる社会課題の解決を目指す」としている。

共通バッテリーを使うコードレス家電の他、ポータブル電源やソーラーパネルも展開

スポットクーラーと扇風機から

共通バッテリー。充電器付きのスタートキットで1万890円（直販価格）

　共通バッテリーの容量は90Whで、同シリーズの充電器にセットすると約2時間で充電できる。またUSB Type-C出力（PD20W）もあり、大きめのモバイルバッテリーとして使うこともできる。直販価格は、充電器付きのスタートキットで1万890円。