米Amazonは6月3日(現地時間)、生成AIとコンピュータビジョンを使って出荷前の商品に問題がないかチェックするシステム「Project PI」(PIはPrivate Investigator;私立探偵の略)を発表した。北米の一部のフルフィルメントセンターで稼働している。
その仕組みは、商品を出荷プロセスでスキャン用トンネルを通過させ、コンピュータビジョンが書籍の表紙の折れ曲がりや洗剤ボトルからの漏れなどの欠陥を検出するというものだ。
問題が見つかった商品は隔離され、システムは欠陥を評価し、類似商品に問題があるかどうか判断し、根本原因を解析する。また、隔離された商品は人間の従業員が再審査し、割引価格での再販サイトに回すか、寄付するかなどを決定する。
Amazonは、このプロジェクトは顧客体験の向上だけでなく、返品の削減、梱包の無駄や追加輸送による不要な炭素排出の削減を目的としていると語った。
このプロジェクトと並行して、マルチモーダルLLM(MLLM)による顧客体験の問題調査も実施している。
顧客からのクレームがあった出荷についてProject PIから取得した画像などのデータを分析して問題の原因を確認する。たとえば、ツインサイズのシーツを注文したのにキングサイズのシーツが届いたというクレームがあると、従業員が該当商品のProject PIの画像と照合し、ラベルが間違っているかどうかなどをチェックする。
このプロジェクトのためのスキャントンネルは、2022年5月からいくつかのフルフィルメントセンターで稼働しており、毎月何百万もの商品を分類し、期限切れの商品や色やサイズが間違っている問題を識別しているという。
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