米半導体大手NVIDIAの株価が5日のニューヨーク市場で5.2%上昇して取引を終え、時価総額は3兆120億ドルと、米Appleの3兆30億ドルを抜いて世界第2位に躍り出た。
時価総額首位は依然として米Microsoftで、この日の株価終値に基づくと3兆1500億ドル。
ただロングボウ・アセット・マネジメントのジェイク・ダラーハイド最高経営責任者(CEO)は「NVIDIAは目下人工知能(AI)でもうけ、Apple、MetaなどはAI投資にお金をつぎ込んでいる。NVIDIA(の時価総額)がMicrosoftも追い抜くのは当然の帰結かもしれない。一本調子の値上がりが期待される銘柄を買おうと待ち構えている個人投資家の資金は潤沢だ」と述べた。
NVIDIAとAppleの逆転は、2007年のiPhone発売以来Appleがずっと支配的地位を維持してきたシリコンバレーの勢力図の変化も物語っている。
ハイテク大手がこぞってAI投資に向かい、この分野で優位を得ようと競争を繰り広げる中で、高性能AI半導体需要が供給をはるかに上回り続けている。このため、こうした半導体をほぼ独占的に手がけるNVIDIAの株価は今年に入ってから147%も高騰。強気の最新売上高見通しを発表した5月22日以降に限っても30%近く上昇した。
この日膨らんだ分の時価総額1億5000万ドル弱だけでも、AT&Tの時価総額を超える計算になる。
それでもNVIDIAの利益見通しは株価上昇をしのぐペースで切り上がってきており、予想利益に基づく株価収益率(PER)は足元で39倍と、1年前の70倍強から相対的に割安化していることが、LSEGのデータから読み取れる。
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