人気バンド、Mrs. GREEN APPLEが6月12日にリリースした新曲「コロンブス」とそのMVがネット上で物議を醸し、13日の午後にはYouTubeにアップされていたMVが非公開となった。所属事務所とEMI Recordsは謝罪文を公開している。
コロンブスは、コカ・コーラ社のCoke STUDIOキャンペーンソングとして制作したもので、MVでは「もしも生きた時代の異なる偉人たちが一緒に旅をしたら?」という架空の物語を、コロンブス、ナポレオン、ベートーヴェンに扮したメンバーが演じた。
旅の道中、500万年以上もの時を越えて類人猿たちと出会い、ホームパーティーをするという内容だ。13日正午の時点で76万回以上再生されていた。
ところが、コロンブスと類人猿の組み合わせが、コロンブスのアメリカ大陸到達を思わせると物議に。また類人猿に文化を教えたり、人力車をひかせたりするシーンがあったことも議論に拍車を掛けた。
以前は「新大陸を発見した冒険者」といわれていたコロンブスだが、近年は先住民の虐殺や奴隷化など迫害したことが広く認知され、とくに米国内での評価は大きく変わった。2010年代以降は人種差別撤廃の動きに伴い、米国各地にあったコロンブス像の破壊や撤去が相次いでいる。
このため、MVを掲載していたYouTubeでは「海外で拡散される前に消した方が良さそう」「お願いだからPV作り直してください」といったコメントが相次いだ。X上でも「これはど真ん中でアウト」などと指摘する声が上がっていた。
Mrs. GREEN APPLEの所属事務所とEMI Recordsは、MVの公開停止について「歴史や文化的な背景への理解に欠ける表現が含まれていたため、公開を停止することといたしました」と説明。「当社における公開前の確認が不十分であり、皆様にご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪している。
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