ポケモン社は7月11日、睡眠ゲーム「Pokemon Sleep」(以下、ポケモンスリープ)で睡眠時間や寝付きが改善した人は、ダイエットの効果(BMI値の低下)が2倍になったとする調査結果を発表した。食事管理アプリ「あすけん」を運営するAsken(東京都新宿区)と、筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)と合同で調査した。
調査は、ポケモンスリープを90日間継続利用し、あすけんで一定の条件で体重を記録した2063人を対象に実施。まず睡眠については、平均30分ほど睡眠時間が長くなった他、寝つきが悪かった人で改善傾向が確認できたという。
総睡眠時間とBMI(Body Mass Index:体重と身長から算出される肥満度)の変化の関連性について調べたところ、あすけんで食事管理をしている人のうち、ポケモンスリープで総睡眠時間が改善された人は、改善されなかった人と比べてBMIが大きく低下。ダイエット効果が約2倍であったことが判明したという。
さらに入眠時間が改善された人は改善されなかった人に比べて、BMIの低下が大きかった。ダイエット効果は2.2倍だった。
研究チームは、「睡眠が不足するとグレリンやレプチンといった食欲関連ホルモンのバランスや、エネルギーの代謝などに影響することが科学的に知られている」と指摘。今回の調査でも「睡眠時間の改善がダイエットの促進につながった可能性が考えられる」としている。
ポケモンスリープの監修を担当した睡眠学者の柳沢正史さん(S'UIMIN社代表)は「睡眠改善がダイエットにつながること自体はすでに多くの先行研究で語られているが、睡眠改善とダイエット効果に睡眠計測アプリが寄与したことを示す学術研究は、私たちが知る限り世界で初めて」「ゲームが生み出すヘルスケアの可能性を科学的に確認できたことに、先行研究と異なる社会的意義を感じている」とコメントを寄せている。
ポケモンスリープは、ポケモン社が2023年7月にリリースしたスマホアプリ(iOS、Android)。スマートフォンや「Pokemon GO Plus+」のセンサーを使ってユーザーの睡眠時間や睡眠の質を計測し、ゲームを進めることで睡眠リズムを整える。1年間で全世界累計ダウンロード数は2000万を超えた。
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