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Google DeepMindのAIモデル、国際数学オリンピックの銀メダルレベルに

» 2024年07月26日 15時48分 公開
[ITmedia]

 米Google傘下のGoogle DeepMindは5月25日(現地時間)、同社のAIモデル「AlphaProof」と「AlphaGeometry 2」の組み合わせが、2024年の国際数学オリンピック(IMO)の出題中4問を解き、この競技での銀メダリストと同等レベルを達成したと発表した。

 alpha 1

 IMOは、1959年から毎年開催されている若手数学者のためのコンテスト。IMOの代表には、フィールズ賞の受賞者も多い。

 AlphaGeometry 2は、1月に発表されたAlphaGeometryのアップグレード版で、ユークリッド幾何学の問題を解くことに特化したAIシステム。初代は、国際数学オリンピックの幾何学問題30問のうち、25問を制限時間で解いた

 AlphaProofは形式的な数学推論のための新しい強化学習ベースのシステム。チェスや将棋、囲碁をマスターする方法を自己学習したAlphaZero強化学習アルゴリズムと、事前トレーニング済みの言語モデルを結合したものだ。

 Google DeepMindは、2つのモデルを統合したAIシステムにIMOが提供した競技問題を解かせ、IMOの金メダリストでフィールズ賞受賞者のティモシー・ガワーズ教授と、金メダルを2回獲得したジョセフ・マイヤーズ博士に採点してもらった。

 問題は、システムが理解できるように手動で翻訳した。1つの問題は数分以内に解いたが、他の問題を解くのに最大3日かかった。以下は数分で解いた問題だ。

 alpha 2

 IMOでは6つの問題が出され、最高得点は42ポイント。DeepMindのシステムのスコアは28ポイントで、これは銀メダルの最高点に相当するとしている。

 金メダルの基準は29ポイント以上で、公式大会では609人の参加者中、58人がこのポイントを獲得した。日本からも6人が出場し、2人が金メダルを獲得している。

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