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グーグルから「Pixel 9 Pro Fold」登場 折りたたみスマホで“国内最薄”

» 2024年08月14日 02時00分 公開
[ITmedia]

 米Googleは8月13日(現地時間)、自社イベント「Made by Google」において、折りたたみスマートフォンの新モデル「Pixel 9 Pro Fold」を発表した。2023年5月に発表したPixel Foldの後継機で、韓国Samsung Electronicsが発表した「Galaxy Fold 6」よりも薄く、日本で販売される折りたたみスマートフォンの中で最薄としている。

「Pixel 9 Pro Fold」
「Galaxy Fold 6」(左)よりも薄い「Pixel 9 Pro Fold」(右)

 SoCは新型の「Tensor G4」。米Alphabet傘下のGoogle DeepMindと共同設計したチップで、スマートフォン上で画像・音声を理解できるマルチモーダル対応モデル「Gemini Nano」を実行する初のチップになるとしている。メモリは16GB、ストレージは256GB。Pixel Foldが販売されている市場(インド除く)において最大サイズという内側のディスプレイには、Pixel Fold比で80%輝度が向上(ピーク輝度2700ニト)した8インチ「Super Actua Flex インナーディスプレイ」を採用。流体摩擦ヒンジにより、本体を平らに開くことができるとしている。アウターディスプレイは6.3インチに大型化。ピーク輝度も2700ニトまで向上している。

インナーディスプレイは8インチに大型化

 デュアルスクリーンを生かし、子どものベストショットを撮影できる「こっちを見て」機能を搭載。外側のアウターディスプレイにアニメーションを表示して子どもの注意を引き、カメラ目線の笑顔を撮影できるという。分割スクリーンを使うことで、Geminiとチャットしながら詳細情報を確認するといったマルチタスク作業の他、デュアルスクリーンプレビュー、テーブルトップモード、背面カメラでの自撮り撮影が可能。Google翻訳では、インナー/アウターディスプレイにそれぞれの言語での翻訳結果を表示させることで、対面での会話がしやすくなるとしている。

 また、「Asphalt Unite」や「Disney スピードストーム」など、複数のゲーム開発者と連携し、大画面でのテーブルトップモードをサポート。「Minecraft」や「キャンディークラッシュソーダ」も対象で、24年後半には「NBA Infinite」や「リーグ・オブ・レジェンド:ワイルドリフト」も最適化予定としている。

 カメラはトリプル構成で、広角カメラは4800万画素の1/2インチセンサー(F1.7)、超広角カメラは1050万画素の1/3.4インチセンサー(F2.2)、5倍の望遠カメラは1080万画素の1/3.2インチセンサー(F3.1)を搭載。超広角カメラはマイクロフォーカス機能が利用できるようになった。マルチゾーンレーザー検出AF、スペクトルセンサー、フリッカーセンサーの他、広角/望遠レンズには光学式・電子式の手ブレ補正機能を搭載している。また、1000万画素(F2.2)のフロントカメラ/インナーカメラも内蔵する。

 サイズは、折りたたみ時で155.2mm×77.1mm×10.5mm、開くと155.2mm×150.2mm×5.1mmになる。重さは257gだ。カラーはObsidian、Porcelainの2色。アウターディスプレイには米Corning のGorilla Glass Victus 2を採用し、IPX8の防水性能を持つ。バッテリー容量は4650mAh、45W充電器により「数分で数時間分充電」できるとしている。ワイヤレス充電にも対応する。

AI機能強化

 カメラの新機能として「Add Me」(一緒に写る)を追加。カメラマンも一緒に写った集合写真を撮影できる機能で、カメラマンが入るスペースを作りつつ集合写真を撮影し、別でカメラマンを撮って合成することで、全員が1枚に収まった集合写真を撮影可能。「編集マジック」では、生成AIで写真の上下左右を拡張できるようになった。また、動画機能も強化。Pixelで初めて超解像ズームが動画でも利用できるようになった他、「動画ブースト」や、夜でも明るく撮影できる「ビデオ夜景モード」にも対応する。

カメラマン分のスペースを開けて撮影し……(スマートフォンはPixel 9 Pro)
今度は同じロケーションでカメラマンを撮影
すると、カメラマンも含む集合写真が出来上がる

 6月のGoogle I/Oで発表された「Gemini Live」に対応。これは、Geminiの最上位AIモデル「Gemini Advanved」を活用した音声対話機能で、生成AIと会話しながら情報を調べたり、Gmailに届いたメールの確認などが可能。Gemini Advanvedはマルチモーダルモデルなので、冷蔵庫にある食材を撮影し、献立を考えてもらうことなどもできる。Pixel 9 Pro Foldユーザーには、Gemini Advanvedや2TBのストレージが利用できる「Google One AIプレミアムプラン」を半年分無料で提供する。

Gemini Advanvedはマルチモーダル対応なので、写真を添付して回答を生成させることが可能
人参とパイナップルの組み合わせでできる料理を回答してもらった

 なお、Gemini Liveを日本で利用するには、Geminiアプリの言語設定を英語に変更し、英語で発話する必要がある。

 OSはAndroid 14で、7年間のアップデートを提供。Titan M2セキュリティコプロセッサも搭載しており、Google VPNを無料で利用可能。

 価格は25万7500円。14日から予約注文を開始し、9月4日に発売する。NTTドコモ、KDDI、沖縄セルラー、ソフトバンクの他、Googleストアでも販売する。ストアでは、発売記念として対象スマートフォンの下取りと次回以降に使えるクレジットの付与で、最安で実質9万9800円になるキャンペーンを9月2日まで実施。メーカー保証を2年に延長し、自然故障に加えて画面割れや落下、水没にも対応する製品保証サービス「Preferred Care」にも加入可能。購入から30日以内であれば申し込めるため、付与されたストアクレジットで支払い可能だ。

 同イベントではPixel 9 Pro Foldの他、「Pixel 9」「Pixel 9 Pro」「Pixel 9 Pro XL」「Pixel Buds Pro 2」「Pixel Watch 3」も発表している。

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