9月2日に「PlayStation 5」(PS5)が値上げされました。標準モデルで約8万円という値付けには驚いた人も多いはず。さらに過去のハードと比べると、PS5の現状のおかしさが分かります。
今回の値上げでは、標準モデルが6万6980円から7万9980円へ、ディスクドライブ非搭載のデジタル・エディションは5万9980円から7万2980円に改訂されました。2020年の発売当時は、それぞれ5万4978円、4万3978円だったため、4年間で2万5000円以上も値上がりしたことになります。
そして値上げはPS5本体だけではありません。周辺機器の多くも同時に価格改定され、例えば専用のコントローラーである「DualSense ワイヤレスコントローラー」は1万1480円になりました。ボクはPS5本体は既に所有していますが、仮にコントローラーが故障した場合、買い替えるのに1万円以上かかるのは正直つらいです。
そもそも、これまでのPSハードは発売当初こそ4万円前後するものの、段階的に値下げしていくのが常でした。例えばPlayStation 4は、3万9980円で登場し、3年後に2万9980円になりました。初代PlayStationやPlayStation 2も、同じくらいの期間で2万円以下まで値下げしています。
発売当時、60GBのHDDを搭載して約6万円(オープン価格)と高額だったPlayStation 3ですら、発売4年後には2万9980円(HDDは160GB)まで下がりました。ハードの値段は量産効果などによって徐々に下がる、という常識はもう通用しないのでしょうか。
ソニー・インタラクティブエンタテインメントは、値上げの理由について「昨今の世界的な経済情勢の変動などの厳しい外部環境を受け」としています。確かに部材や流通コストの高騰、円安など理由は多く考えられますが、それでも今回の値上げについては「もうSIEは日本でPS5を売ることを諦めてしまったのではないか?」と疑ってしまいます。
ボクは基本的には家庭用のゲームハードで遊びたい派なのですが、今後もPS5並みの価格が当たり前になるようだったら、いっそのことPCをゲームのために買い替えることも検討するかもしれません。身近な娯楽であるはずの家庭用ゲーム機が、子供はもちろん、大人でも手が出しづらい状況はおかしいと思います。
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