米Microsoftは10月21日(現地時間)、企業向けAIプラットフォーム「Copilot Studio」に、自律型AIエージェントを作成する機能を追加すると発表した。11月からパブリックプレビューとして提供する計画だ。また、「Dynamics 365」に10の新しい自律型エージェントを導入することも発表した。
自律型AIエージェントは、人間の指示なしに一連のタスクを実行できる仮想的な従業員のようなものだ。従来のチャットbot型のAIよりも、シームレスなバックグラウンドでの動作を実現するという。
Copilot Studioで作成されたエージェントは、「Microsoft 365 Graph」「Dataverse」「Fabric」などの業務データのコンテキストを活用し、ITヘルプデスクから従業員のオンボーディング、営業・サービス担当者向けのパーソナルコンシェルジュなどの業務を支援する。
Copilot Studioエージェントは、自律型エージェントの限定的なプライベートプレビューで使用されている「OpenAI o1」シリーズを含む最新のモデルを使う。
Microsoftは、プライベートプレビューを提供したClifford Chance、McKinsey & Company、Pets at Home、Thomson Reutersの作例を紹介した。
例えばThomson Reutersは、法務デューデリジェンスのための自律型エージェントを構築した。このエージェントには、Thomson Reuters CoCounselの知識、スキル、高度な推論能力を組み合わせ、Microsoftの生産性向上ツールに統合した。初期テストでは、デューデリジェンスワークフローのいくつかのタスクが少なくとも50%削減される可能性が示されたという。
Dynamics 365に導入される10の新しい自律型エージェントは、営業、サービス、財務、サプライチェーンの各チームの能力を強化するように設計されている。
例えば、「Sales Qualification Agent」は、営業担当者が最も優先度の高い営業機会に時間を集中できるように、見込み客を調査し、機会の優先順位付けを支援し、パーソナライズされたメールと返信で顧客へのアウトリーチをガイドする。
つまり、営業担当者に代わって、見込み客の情報を収集・分析し、営業活動の効率化を支援する役割を担う。
Microsoftは、人を第一に考える責任あるAI原則によって推進されるAIの進歩に取り組んでいると説明する。エージェントにリンクされているデータソースは、厳格なセキュリティ対策と制御(強力な認証プロトコルを含む)に準拠しており、管理センターを通じて管理される。エージェントの作成、共有、使用にはアクセス制御を実装できる。また、ポリシーと情報ラベルを設定してデータを保護し、エージェントの使用状況を監視できる。
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