エンジニア向けの転職サービス「Findy」を運営するファインディ(東京都品川区)は10月31日、2025年版のITエンジニアの採用市況に関する予測を発表した。国内外問わず、リモートワークから出社回帰を促す企業が増える一方、ITエンジニアはフルリモートの就業環境を求める傾向が高いことなどが明らかになった。
米Amazonは9月、原則として週5日出社するよう社員に対して通達を出した。業務効率向上を目的とした動きだが、国内でも同様に出社回帰を促す企業が増えつつある。例えば、メルカリでも7月から週2日出社推奨を試験運用する動きがあった他、サントリーホールディングスや日清食品ホールディングス、パナソニックコネクトなども出社回帰の動きを見せている。
このような動きに対して、ファインディの山田裕一朗CEOは「ソフトウェアのビジネスがリアルな世界と融合し始めているというのが理由の一つとして考えられる」と指摘。例えば、自動運転や物流に関する事業では、テクノロジーが柱にありつつも、現場(リアル)を知らなければ開発しきれない。また、営業部門と開発部門がコミュニケーションをより密に取り、事業を深掘りする動きも盛んになっているなども背景にあるという。
一方、ファインディが7月に行った調査(n=681)によると、ITエンジニアの過半数がフルリモートの勤務状況を維持。週5日出社しているのは全体の約1割だという。
また、現職でリモートワーク頻度が減らされた場合、「現状の会社で働き続ける」と答えたのは全体の28.5%。7割以上が転職やフリーランスへの転向を希望しており、18.5%は「年収などの条件が悪化しても転職をする」と回答している。
「(前述でデータで示した通り)年収が悪化したとしてもQOLを維持したいというITエンジニア側の考えもある。企業によって方針が異なることもあり、今後それぞれがどのような働き方をしていくのかは、ちょうど転換点に来ているのでないか」(山田CEO)
ファインディでは、国内のITエンジニアの平均年収も調査した。22〜23年にかけては100万円以上数値が上がっていたが、23〜24年にかけてはほぼ横ばいで7月時点では平均681.0万円となった。
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