「一気に3万円も値上げされた」――Adobe製品の使い方を習得するスクールの受講料が、12月1日から軒並み値上げされる事態になっている。いずれも1年間の「Creative Cloud」ライセンスが付属している講座で、4万円前後だった受講料が7万円前後に跳ね上がるという。
Adobeは、PCスキルの学習の場を提供するスクールと、「アドビスクールパートナー」という契約を結んでおり、スクール側は運営に必要なライセンスの購入だけでなく、受講者向けにも、学生・教職員個人版をトレーニングコースとパッケージにして提供することができる。Adobe Creative Cloudの定価と比べるとだいぶ割安なため、Adobe製品を始めたい初心者だけでなく、安くAdobe製品を使いたい既存ユーザーにも人気があった。
今回の改定は、複数のスクールパートナーで予告されており、デジタルハリウッドやアドバンスクール、ヒューマンアカデミーなどが、12月1日からの値上げを予告している。11月中であれば現行価格で1年分のライセンスが付属するため、「価格改定前のラストチャンス!」とアピールするスクールもある。
なぜ、突然の値上げに至ったのか、値上げを予告している1社のデジタルハリウッドに聞くと「昨今のさまざまな事情でAdobeの方から価格改定の通知があり、それに沿う形で価格を改定することとなった」「あくまでもわれわれが金額を決めたわけではない」という。
一方、Adobe側は「スクールパートナーの皆様には従来より、Adobeツールのトレーニング講座を開講いただいています。Adobeツールの操作スキルを身につけようとされている初学者の方の便宜となるよう、こうした講座にAdobe Creative Cloud学生・教職員版ライセンス1年分を含むことができるよう各社様と協業させていただいております」「今回のスクールパートナー様の告知はトレーニング講座全体の受講料の改訂のお知らせと認識しており、弊社といたしましては各社様のトレーニング講座の受講料の決定には関与しておりません」と回答するにとどまった。
なお、デジタルハリウッドやアドバンスクールでは、パートナープログラムにおけるCreative Cloudのライセンス販売価格の改定が行われたことを要因として挙げているが、Adobeは「価格の中に弊社のCreative Cloudライセンスの価格がどの程度転化されているかについては取引の秘密事項につきコメントを差し控えさせていただきます」としており、値上げ幅やその理由についての回答は得られなかった。
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