欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会とEU圏の各国消費者保護当局は11月12日(現地時間)、米Appleが幾つかの「Apple Media Services」で、EUのジオブロッキング規制に違反する可能性のある慣行を行っていると指摘し、これを停止するよう要求した。
Appleには是正措置を提案するために1カ月の猶予が与えられているが、懸念事項に対処できなかった場合、各国当局が対応措置を取ることになる。
問題となっているApple Media Servicesは、App Store、Apple Arcade、Music、iTunes Store、Books、Podcasts。
Appleは、EU/EEA内の国ごとに異なるインタフェースを提供しており、消費者は自分のAppleアカウントを登録した国のインタフェースにしかアクセスできない。また、Apple Media Servicesで有料で購入する場合、消費者はAppleアカウントを登録した国で発行された支払い手段しか使用できない。アプリのダウンロードも、自国のApp Storeしか利用できない。
欧州委員会らはAppleに対し、2018年に施行されたジオブロッキング規制(正当な理由がない限り、商品やサービスを購入しようとする顧客の国籍、居住地、または設立地に基づく不当な差別を禁止する)と、2006年のサービス司令(サービスへのアクセスに関する一般的な条件に、サービスの受領者の国籍または居住地に関する差別的な規定を含めてはならない)に基づき、これらの慣行を是正するよう求めた。
デジタル市場法(DMA)とデジタルサービス法(DSA)にもアプリストアに関連する規定が含まれており、App Storeにも適用される可能性がある。
欧州委員会は、2023年に米Googleに対して同様の措置を取り、GoogleはGoogle Playストアの異なる国のバージョンを閲覧する方法を明確化し、開発者にジオブロッキング規制に基づく義務について通知し、消費者がGoogleストアでEU加盟国の支払い手段を使用できるようにすることを約束した。
欧州委員会のマルグレーテ・ベステアー執行副委員長は「ジオブロッキングを防ぐことは、消費者が欧州で望む商品やサービスにアクセスできるようにし、単一市場の機能と完全性を強化するのに役立つ」と語った。
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