シロカのぽかエコーは、ヒーターの熱を反射板で反射させるリフレクト構造を採用することで、熱を前方へ集中的に送り出す構造になっている。出力は最大600Wで、200/400Wも選べる。内部にファンを搭載しており、ファンをオンにすることで暖かく感じられる範囲をわずかながら広げられる。また75度の左右首振り機能も利用できる。
「ぽかエコーは、『消費電力を抑えた電気ヒーターができないか』という当社代表の提案から始まりました。工場とやりとりする中で、熱を反射させる構造を上手につくると、低消費電力でも暖かくできることが分かりました」とシロカの菅原充さん(開発部 開発グループ グループリーダー)は語る。
一般的な電気ヒーターは、熱源が正面を向いており、そこから出る輻射熱で直接的に暖める。反射板があるヒーターの場合は、ヒーター管が背面に出した熱を反射板で正面に反射し、拡散する。
ぽかエコーは、中央にある円形のヒーターが、背面にある中華鍋のような形状の反射板に向けて輻射熱を放出。反射板で熱を前方に反射させる。一般的にヒーターの輻射熱は広範囲に放出されるが、ぽかエコーは反射板の形状を工夫することで、反射された熱を一定の範囲に集中させている点が特徴だ。
「反射板が付いた電気ヒーターは、これまでにもたくさんありました。しかし反射を利用して熱効率をアップさせることで、消費電力の削減を狙ったヒーターはなかったと思います。どうすれば2倍以上の暖かさが得られるのか、反射板の角度やヒーターとの距離、反射板の素材をどうするかなどの研究を行いました。受けるのと出すのは異なりますが、形状に関しては衛星放送のパラボナアンテナをイメージして構造を考えました」と菅原さんは語る。
これまでもシロカではさまざまな暖房器具を企画・販売しており、ノウハウは持っていたが、反射板付きの電気ヒーターを手がけるのは初めてだったこともあり、反射板の素材や形状などの確定には、かなりの時間をかけた。オーブントースターの内側にある、熱を乱反射させるディンプル構造などもヒントにしたという。そして熱の反射に方向性を持たせたいと考えたとき、最も効率のいい形が円形だったそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR