米Intelは12月2日(現地時間)、パット・ゲルシンガー氏(63)が1日付でCEOと取締役を退任したと発表した。取締役会が後任を探す間、デビッド・ジンスナーCFO(最高財務責任者)とエグゼクティブバイスプレジデントのミシェル・ジョンストン・ホルトハウス氏が暫定CEOを務める。
暫定取締役会長に就いたフランク・イアリー氏は発表文で「われわれは、よりスリムでシンプルで機敏なIntelを作るべく取り組んでいる」と語った。
米Bloombergによると、ゲルシンガー氏の立て直し計画に対する不信感が高まった取締役会の後の発表という。
ゲルシンガー氏は、1979年から約30年間Intelに勤務し、初のCTO(最高技術責任者)に就任した。その後2009年から米EMCでCOO(最高執行責任者)、社長を歴任し、2012年にVMwareにCEOとして迎えられた後、2021年にボブ・スワン氏の後任としてCEOに就任した。
同氏はCEOとして、台湾TSMCや韓国Samsungなどの半導体大手と肩を並べるために複数の数十億ドル規模の工場建設に取り組んだ。また、CHIPS法の下、米連邦政府からの助成金を獲得した。
だが、同氏の在任中、PC向けチップの収益は減少し、AI向け製品ではNVIDIAなどに後れを取った。また、ソニーとのチップの設計・製造契約を逃したと報じられた。
Intelの売上高は、2023年にはゲルシンガー氏がCEOに就任した年から約3分の1に減少。2024年第2四半期には約1万5000人の人員削減を発表し、第3四半期には、同社として過去最大の166億3900万ドルの四半期損失を計上した。
ゲルシンガー氏は発表文で「もちろん、この会社は私の仕事人生の大部分を支えてきたので、今日という日はほろ苦い気持ちです。私たちが共に成し遂げてきたすべてのことを、誇りを持って振り返ることができます」と語った。
取締役会は選考委員会を設置し、ゲルシンガー氏の後任探しに取り組む。
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