米Intelのパット・ゲルシンガーCEOは6月4日(台湾時間)、Computex Taipeiの基調講演で、データセンター向け「Xeon 6」やノートPC向け「Lunar Lake」などの新しいAIチップを発表し、米NVIDIAや米Qualcommに対抗する姿勢を見せた。
NVIDIAのジェンセン・ファンCEOは2日に行った基調講演で、AI関連の一連の新製品を発表している。
ゲルシンガー氏は「現在、1つのチップに10億個のトランジスタが集積されており、10年後には1兆個になる見込みだ。ジェンセン(ファン氏)が信じ込ませようとしているのとは異なり、ムーアの法則は健在だ」とNVIDIAのCEOに名指しで反論した。
同氏は、Xeon 6は前世代に比べて高負荷のデータセンターワークロードのパフォーマンスと電力効率を向上させると語った。
また、4月に発表したAIアクセラレータ「Gaudi 3」の価格が競合製品より低いこともアピールした。「顧客は高性能で費用対効果の高い生成AIソリューションを求めている」と同氏は語った。
「AIパソコンカテゴリーの成長を続けるため」の今後のLunar Lakeプロセッサのアーキテクチャ詳細も明らかにした。第3四半期に出荷が予定されているLunar Lakeは、AI向けPCに特化したNVIDIA、米AMD、米Qualcommのプロセッサと競合する。
Qualcommのクリスティアーノ・アモンCEOは前日の基調講演で、同社の製品は史上最強のPCエンジンだと語った。
ゲルシンガー氏はこれに反論し、Lunar Lakeはあらゆる基準でQualcommを圧倒しており、x86アーキテクチャが消費電力の面で劣るというQualcommの主張は「神話にすぎない」と断言した。
同氏は、Lunar Lakeがそれを証明していると語り、米Microsoftの「Copilot+ PC」の要件である40TOPS以上のスペックをデスクトップにもたらす「Arrow Lake」を今年後半にデビューさせるとほのめかした。
「Intelは、半導体製造からPC、ネットワーク、エッジ、データセンターシステムまで、AI市場の機会のあらゆる領域で革新を起こしている世界でも数少ない企業の1つだ」とゲルシンガー氏は語った。
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